The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

小覇王の2012 映画ベストテン&ワースト

「おーい!フリーマ〜ン!」
「呼びました?」

 というわけで今年もベスト選出の季節がやって参りました。そこで世界三大フリーマンの一人、マーティン・フリーマンことビルボ・バギンズさんに今年のマスコットを努めていただき、私小覇王のベストを発表させてもらおうと思います。ちなみに残り二人は殺しの後に涙を流すクライングフリーマンさんと、モーガン・フリーマンさんです。殺し屋さんは置いといてモーガンさんが人種の平等と自由のために戦う「フリー」なのに対してマーティンさんの「フリー」はパイプ草をふかしながら一日6食取ってのんびり暮らす「フリー」ですね。そして冒険する「フリー」!ちなみに去年のマスコットは社会の規律からフリーなスー・シルベスター先生でした。
 先日の「フランケンウィニー」の感想が思いの外反応があって満足してしまったので、今年の残された日はゆったりと更新していきたいと思います。まだ、「ホビット」感想書いてないんですが・・・ 
 昨年のベストはこちら

小覇王の2011 映画ベストテン&ワースト

 
 前座的な「ベストアクションヒロイン2012!」とあわせてご覧ください。

  1. ダークナイト ライジング
  2. アベンジャーズ
  3. サニー 永遠の仲間たち
  4. ホビット 思いがけない冒険
  5. フランケンウィニー
  6. ジョン・カーター
  7. 桐島、部活やめるってよ
  8. 人生はビギナーズ
  9. モンスター・ホテル
  10. ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜

といったところですかね。前もちょっと書いたけれど、今年はミニシアターに観に行く事は殆どできなくて、結果として全てメジャーな作品となります。今月の頭にツイッターの映画クラスタで忘年会があって、僕は残念ながら参加できなかったんですがそこでアンケートを取っていてそれには参加させてもらったんですが、ベスト3以外は何を入れたか全く覚えていない・・・しかも12月に入って良作が続いたのでその時とは又、別の結果になっていると思います。
 それでは個別に。
 

1位 ダークナイト ライジング

 2008年の「ダークナイト」に引き続き1位はクリストファー・ノーラン監督のシリーズ最終作「ダークナイト ライジング」です。感想でも書きましたが、この作品はシリーズの最終作として、とても真摯に作ってあると思います。「ダークナイト」の路線で今後も続編が作れるような作りにすることも可能だったでしょうが、きっちり決着をつけています。この辺はシリーズ化を前提としていなくて作られた三部作としては完璧に近いのではないかと。またノーラン監督がリアル志向と受け止められがちなので、「ご都合主義」「突っ込みどころが多い」などと言われて僕もそれは否定しませんがそもそも現代の新たなる神話だと思っているので気になりませんでした。有終の美を飾った事をもって誰がなんと言おうと文句なしの1位です。
 もちろん、賛否別れる作品ですので色々と批判はありますし、映画が美術作品である以上感性の部分でダメと言う意見などは全然構わないのですが、一つだけ。フランク・ミラーの「ダークナイト・リターンズ」と違うから駄目だ!という意見は極めて馬鹿らしいと言わざるを得ません。「DKR」はもちろんアメコミ史に残る傑作ですが、あくまでバットマンの歴史の中の一部に過ぎません。1966年のTVシリーズだってバットマンなら今回の映画版だってもちろん立派なバットマンなのです。

蝙蝠侠:黒暗騎士:黎明昇起 ダークナイト ライジング
 “登れ!” ダークナイト ライジング

 

2位 アベンジャーズ

 マーベルコミックスのヒーロー大集合の特大娯楽作。題材こそ同じアメコミのヒーローでも「ダークナイト ライジング」とは全く別の方法論で作られているので、何かと比較されがちですが、そもそも無意味かと。ただ、この娯楽作も突然出てきたわけではなく、ここに至るまでに5作に渡る個別のヒーロー映画が作られその中で綿密に世界観が作られていった結果です。とりあえずヒーロー集めただけ、とか大味なハリウッド映画、みたいな批判は全くの見当はずれですね。現在は「アイアンマン3」が公開待ちで、「ソー」及び「キャプテン・アメリカ」の続編が製作中、そしてその後には再び「アベンジャーズ2」が待ってますよ!

アベンジャーズがやってくる!
英雄たちの伝説の始まり アベンジャーズ

3位 サニー 永遠の仲間たち

 もしかしたら今年一番ハマったかもしれない韓国映画。女性たちの物語だし、特に激しいアクションシーンやバイオレンスがあるわけでもなし、でも力強い作品です。地元の映画館では公開ラスト一週間の間に4回見ました。脇役の一人一人(敵対するグループ少女時代のメンバーや、サンミに至るまで)全員が愛おしいし、ご都合主義と言われるラストだって全然気にならない。ずーっと愛することが出来る映画ですね。

美しくってごめんね サニー 永遠の仲間たち

サニー 永遠の仲間たち デラックス・エディション Blu-ray

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4位 ホビット 思いがけない冒険

 映画化不可能と言われたJ.R.R.トールキンの「指輪物語」を見事に三部作で映画化に成功した「ロード・オブ・ザ・リング」から9年!ピーター・ジャクソンが再び中つ国の創造に取り込んだ「ホビット 思いがけない冒険」が第4位。前作が長大な3部作を原作同様3部作で映画化したのに対して今回は「指輪物語」の前日譚の児童文学「ホビットの冒険」全1巻を三部作にしました。3部作全部で10時間近く(SEE版)あり、それでも削らざるを得なかった前シリーズに対して今度は「追補編」や「指輪物語」から逆にエピソードを追加していますね。13人登場するドワーフも原作以上にそれぞれ個性的になっています。
 独立した感想は2回目を鑑賞した後を待て!お願い!

映画 ホビット 思いがけない冒険 オリジナル・サウンドトラック

映画 ホビット 思いがけない冒険 オリジナル・サウンドトラック

 実はここまでの4作はほとんど順位に差はありません。どれが1位になってもおかしくないくらい見事だし好きな作品です。それでもこういう順位になった訳を少し解説します。
 「サニー」を除くとシリーズ物が多いですが、「ホビット」は新しい3部作の1作目です。製作は同時進行で進んでおり、ヒットするしないにかかわらずすでに2作目3作目の公開が決まっています。「ロード・オブ・ザ・リング」の時同様、尻上がりに素晴らしくなっていくであろうことは容易に想像ができるので、来るべき3作目に一位の座は予約してもらって、今回はあえてベスト3から降りてもらいました。同じく「アベンジャーズ」も過去5作のマーベル・シネマティック・ユニバースの集大成とは言え、今後もシリーズは続きますし、あくまでアベンジャーズとしては1作目。そこで功労賞を贈りつつ、今後にも期待して2位に。そして「サニー」には3位に位置して貰ってシリーズ最終作で有終の美を飾った「ダークナイト ライジング」に1位に輝いてもらいました。でも全て素晴らしい作品です。 

5位 フランケンウィニー

 先日当ブログの映画関連記事としては過去最高のブクマ数をいただきました。やっぱり大好きな映画監督の記事でしたので嬉しいですね。もちろん作品そのものも大好きです。ラストシーンなど「大人の倫理観」で判断する人も多いですが、やはりこれに関しては広く共有される価値観よりもティム・バートンという個人の中の価値観で判断されるべきだと思いますね。それに違和感を感じる人はラストもちょっと・・・と、思ってしまうのでしょう。
「It's Alive!生きてるぞ!」

20年目のシザーハンズ フランケンウィニー

Frankenweenie (Original Soundtrack)

Frankenweenie (Original Soundtrack)

多分これがダニー・エルフマンのスコアですね。

6位 ジョン・カーター

 原作が書かれてから100年、その後のSF映画などに多大な影響を与えているのだが、その大元の古典SFが待望の映画化。とはいえ人によっては「どっかで見たビジュアル」ばかりと思ってしまうかもしれない。主演のテイラー・キッチュはこれと「バトルシップ」というSF大作に立て続けに主演したが僕は個人的にこちらは大勝利。でも「バトルシップ」はつまらない駄作、という認定。先にアメリカにおける興行で大赤字になってしまった、という情報がネガティブな印象を植えつけてしまったんではないかなあ、とも思う。

未知なる火星に夢を求めて ジョン・カーター

7位 桐島、部活やめるってよ

 邦画からのランクイン。ツイッターでの評判の良さを受けて観に行った作品。改めて振り返るとそんなにリアルな高校生活を描いているとも思わないけど、日本映画の高校生の描写としては画期的なんではないだろうか。

半径1mそれぞれのリアル 桐島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

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8位 人生はビギナーズ

 今年はユアン・マクレガーの主演映画が3本も公開されてホクホクなのだが、その中で1本。結構淡々とした映画だけれどこれまた登場人物が全員魅力的。ユアンは主人公だけどむしろ父親と恋人の二人に対して触媒となるような役回り。ユアン裸派の人には世紀末映画「パーフェクト・センス」もお勧めです。

ユアンのオキテ 人生はビギナーズ

 

9位 モンスター・ホテル

 「デクスターズ・ラボ」のゲンディ・タルタコフスキーの初劇場映画監督作品。過剰なギャグと映像のこれまでの3DCG映画とも少し雰囲気の違った「カトゥーンの3DCGアニメーション化」という感じ。僕は吹き替え版も楽しめたけど、人によっては演出過剰に思った人もいるようです。ヒロインの声を務めたのは川島海荷。今年は誕生日に9nineと握手したり色々と縁がありました。でも彼女声優としてもうまくなりましたよ。次は「HUNTER✕HUNTER」の劇場版らしいですよ。

怪物(人間含む)たちの饗宴 モンスター・ホテル

10位 ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜

 ラストは我らが(てかオレの)ヒロイン、エマ・ストーンの主演作。1960年代の黒人公民権運動をテーマにした社会派作品ですが、まずは何より物語が面白い。エマ以外にもエイビリーンとミニーを演じたヴィオラ・ディビスとオクタヴィア・スペンサーも最高でした。後はブライス・ダラス・ハワードですね。悪役として最高!新旧グウェン・ステイシー対決でもあります。

考える、けどまずは楽しい物語 ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜

 DVDスルー、TV放映作、リバイバル上映なども入れるならば「小悪魔はなぜモテる?!」「メガマインド」「タイタニック3D」なんかが入るかも。
 惜しくもベストテン圏外の作品としては「ドラゴン・タトゥーの女」、「007スカイフォール」、「捜査官X」、「ザ・マペッツ」、「アメイジングスパイダーマン」と言ったところでしょうか。まあきりがないので、それではワースト行ってみよう!
 

ワースト3

 今年は3作、ワースト作品を。

 「ヒーロー大戦」はもう行き当たりばったりの脚本で登場人物を使い捨てにしてるくせに、妙に「ディケイド」にばかり愛情を注いでるこの上なく歪な作品。本気で頭きたので、文句なしのワースト1位ですね。続編作られるみたいだけどどうなることやら。
 「バトルシップ」は人によっては大好きというのもわかるんですが僕は全く受け付けなかった。主人公もバカなら敵宇宙人もバカ。この作品に限らないんですが最近の侵略宇宙人のダメさ加減を見ると例えば「プレデター」さんだとか「スタートレック」シリーズのボーグさんだとかはよく練られていて素晴らしいなあ、と心の底から思うのですよ。
 「バイオハザードV リトリビューション」はちょっと途中でうつらうつら来て記憶が飛んでしまった部分がありました。これに関しては僕の事前の体調管理の問題でもあるので一方的に悪く言うこともできないんですが、最初の普通の主婦ミラがゾンビから逃げるとかは逆に新鮮でよかったんですよ。でもだんだん肝心のアクションが単調で他人がプレイしているゲームを見ているような感覚になっちゃったんすね。あともうラスト凄いことになってるな(棒)って感じで。まあ2本じゃ締まり悪いんで無理やり3本目選んだ結果の選択ですね。
 世間的には評判の悪い「TIME/タイム」「ジョン・カーター」「ハンガー・ゲーム」あたりは全然楽しめましたね。てか「ジョン・カーター」はベストに入ってるしな!
 
 来年は「アイアンマン3」や「ホビット」の2作目「ホビット スマウグの荒らし場」や(気が早い)、スーパーマンの新作「マン・オブ・スティール」、「スタートレック」の新作、怪獣映画である「パシフィック・リム」などが公開されますね。なんだかんだ言っても話題作は絶えることはありません。しかし「マン・オブ・スティール」は予告編見るとリアル志向で不安なんだよなあ、とか思ったりします。とりあえず近いところでは「ライフ・オブ・パイ」、「華麗なるギャッツビー」あたりが楽しみです。「レ・ミゼラブル」は年末ぎりぎりに観るよ!

おまけ 犬ベスト5

  1. スパーキー(フランケンウィニー
  2. アーサー(人生はビギナーズ
  3. ウーラ(ジョン・カーター
  4. アーミー・ハマー白雪姫と鏡の女王
  5. アギー(アーティスト)


以上!またね!