The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

少女マンガの王道 今日、恋をはじめます

物語(嘘)

 外道衆を倒し平和を満喫するシンケンジャー。志葉家一九代目当主志葉丈瑠も再び高校生活に。しかし程度の分からぬ殿は池波流ノ介の髪型を真似、これまでの反動かチャラ男になってしまう。さっそうと高校デビューするのだが、そこには剣術小町こと神谷薫がいたのだった。チャラ男キャラで薫にちょっかいを出す殿だったが、文化祭の時に薫は流ノ介の髪型は似合わないと殿の髪を切ってしまう。一瞬元に戻った殿は薫が気になってしまうのだった。しかしその様子を見ていたのは殿が心配になって高校に潜入していたシンケンピンクこと白石茉子。急接近する殿と薫に茉子は嫉妬の炎を燃やすのだった・・・(つづ…かない!)


 松坂桃李武井咲主演のロマンスコメディ映画「今日、恋をはじめます」を鑑賞。もう何度か書いてる通り僕は日本の高校を舞台にした恋愛映画というのがとても苦手なので普段ならまず観ない作品である。ではなぜ観たかというと幾つかの理由があって、

  1. 古澤監督の新作である
  2. シンケンジャーのふたりが出演している
  3. 「愛と誠」「るろうに剣心」と立て続けに主演が続いた武井咲の新作であり、共通点がありそうだったから。
  4. エキストラ出演したから

というのが主な理由。まあ最後が一番大きな理由で要するに自分が映ってるかもしれないから!と確認に行ったわけですな。ちなみに前回同じ古澤監督の「アベックパンチ」のエキストラに参加した時はその日のうちにブログ書いたりしてたが、今回は作品の規模が大きかったせいか一応緘口令出てたので書きませんでした。今年2月頭の寒い日でした。
まあ、結論から言うと映ってなかったんですけどね、僕。
 ただ、僕がエキストラ参加を希望したのはヒロインの武井咲よりも、シンケンレッドである松坂桃季が生で見れるかも!という期待の方がメインだった。これも結論から言うとシンケンレッドには会えず、しかしスカイライダーに会えるという別の喜びが!村上弘明さんはスカイライダーの他にNHK大河ドラマ炎立つ」で奥州藤原氏の初代藤原清衡を演じていてその意味でもあこがれの人である。武井咲ちゃんも出てきてちょっと遠目でありましたがとても可愛かったですよ。ちなみに僕はプラネタリウムのシーンで村上弘明さんの隣の隣ぐらいのところに座っていたのだ!
 まあそういうわけで、普段は見ないジャンルであるのだが、勇気を振り絞って女子高生、女子中学生に混じって見てきたのである。そしてこれが面白かった。

物語(本物)

 滑り止めの高校に入学する真面目少女日比野つばき。周りの同級生は初日から制服を着崩すような連中ばかり。入学当日におなじ「ツバキ」である学年一頭がよくイケメンの椿京汰と隣の席に。しかし、彼は「一度寝た女とは付き合わない」というプレイボーイであった。京汰はつばきのファーストキスを奪い「自分の女にする」と宣言してしまう!
 春の学園祭の実行委員になった二人は学祭の準備やデートを通して徐々に親しくなっていく。つばきは彼に惹かれていくが京汰は家族との過去から女性を信用できなくなっていた。つばきは京汰の親友西希や妹のさくら、つばきを見なおした女子グループのリーダー有砂の手助けの元ハロウィンに京汰の誕生日を祝いそこで告白。二人は付き合うことに。二人の恋は始まったばかり・・・

 原作は小学館の「Sho-Comi」に連載された水波風南のマンガ「今日、恋をはじめます」。読んでいません。ちなみに「Sho-Comi」というと「オヨネコぶーにゃん」でお馴染みの「しあわせさん」を思いだします。劇中時折挿入される漫画的表現は原作を踏襲してるのだろうか。
 まあ言っても恋愛映画は苦手でましてや高校を舞台にしたものは免疫がないのでね、最初のうちは身悶えながら見ていたのですよ。特に長髪の松坂桃季が出てきた時には臭いセリフと相まってまともには見られなかった。きっかけは学祭の準備シーンで我らがPerfumeの「ナチュラルに恋して」が流れそれに合わせてカットバックで進行するところ。その辺で一気に少女マンガ特有というかファンタジーな雰囲気が緩和して見れるようになった感じ。

 ただ、キャストがシンケンジャーのふたりに限らず、スカイライダーの村上弘明ウルトラマン80の長谷川初範と特撮出身の人達ばかりなので何とか自分の土俵に持ち込んだ感じ。これを観る前に「仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム」を観たのでその延長線上という感じですね。

流ノ介ヘアをカットするつばき。
 高校1年からの物語だが演じる高校生のキャストが総じて年齢が高めなのも僕には良かった。特に男子連中は中学から高校にかけてって同じ年頃の女子に比べて幼く感じるのでちょっと年齢上のキャストを揃えるぐらいでいいんだよね。ましてやこの映画中学の時、女をとっかえひっかえやってたと思われる京汰が「オレは一度寝た女とは付き合わない」とか言うんだからこれが実際の16歳ぐらいの役者のセリフだったらちょっと僕にはきつかっただろうなあ。京汰と言えば入学の時点で女性からキャーキャー言われてるんだが中学でどんな遊びっぷりだったんだろうか、とか思ってしまう。「花より男子」のF4みたいな現実離れした金持ちの坊ちゃんというわけでもないようだし(多少裕福な描写はあるけど)。僕が中学の時なんて基本的に「女子は敵」だったけどね(映画劇中の女性不信とはまた別の意味で)。
 一方、武井咲演じるつばきも「結婚まで処女でいよう」みたいな京汰とはまた別の意味で現代的では無いタイプでこの両極端なカップルを愛でる映画でもある。でも個人的には最初の方のお下げ髪の方が個性は出ていてよかったりする。まあ中盤以降のファッショナブルになっていくと普通に可愛いんだけど更に中越典子さんに見えてしまうのだなあ。
 他のキャストは京汰の親友西希役に山崎賢人。この人監督の前作「アナザー」の主人公の人ですね。僕が比較的若い男優に対して興味が薄いというのもあるけれど役柄やファッションが違うせいで全然気づかなかった。
 個人的に可愛いなあと思ったのはつばきの妹さくら役の新川優愛。最初は中学生として登場、姉と対照的な小悪魔タイプで良かったですね。
 大人キャストは京汰の両親に村上弘明高岡早紀。すると仮面ライダーの息子がシンケンレッドというヒーローエリート家系!一方つばきの両親は長谷川初範麻生祐未仮面ライダーの息子とウルトラマンの娘が恋に落ちるなんて、ジョン・レノンの息子とミック・ジャガーの娘が付き合ってた、というニュースを思いだします。高岡早紀は幼い京汰を捨てて他の男に走った、京汰の女性不信の原因になっている。このキャスティングに高岡早紀を当てるのはなにか意図を感じないでも無いです。
 先ほど高校生の年齢が高めなのは良い、と書いたがそれでもちょっとお姉さんぽさが漂うのが高梨臨シンケンジャーでもちょっと殿(というか全メンバーに)に対してお姉さん的立ち位置であったのでどうしてもそういう感じに見えてしまう。最初はつばきに嫌がらせしたりするのかなあ、と思ったら早い段階でそんなことなくてますますお姉さんぽく見えてしまう。

それでもちょっとコスプレっぽさが漂うシンケンピンク白石茉子こと高梨臨ちゃん。

武井咲は王道の少女マンガヒロインである

ケンドー・コバヤシダメだと思って、最近ボク、色々少女マンガ読んでるんですよ。ちょっと女の気持ち分かるかな、と思って。勉強ですよ、言うたら。これがね、悪魔の本でしたね。数々の名作と言われた少女マンガ読んできたんですけども、全部に共通してることがあるんです!主人公の女の子を好きな・・・ずっと好きな優しい男は、絶対付き合えないんです!ずっと主人公をなんかいじってたようなドSな男が、ちょっと弱みを見せただけで、(心臓が)バクバクなるんですよ。ずっと好きで、ずっと優しかった男は、絶対に幸せになれない!悪魔の辞典ですよ、あんなもん!お前ら、あんなもん読んでたんか!悪魔!滅茶苦茶優しんですよ!第1話から最終回まで。フラれたあとすら優しんです!怖っ!思って。最初嫌いだったあいつのちょっとした家庭の弱みを見ただけで、バクバクなって、『なんなの?私のこの気持?』とか言う…。気がついたらもう『好き!私好き!』って1人で言うてるんです。全部そうでしょ?名作と言われる少女マンガ。もう本当にね、めっちゃくちゃ面白いマンガあるんですけども、恋愛に関してだけは全部そうなんです(後略)」(途中蛍原・宮迫の合いの手は省略してます)
アメトーーーーーーク!勉強と部活と女の子の秋の陣…そこは逆SP」<テレビ朝日2012年9月28日放送>の中の「女の子苦手芸人」より。

 ちょっと長い引用だけどこのケンコバの少女マンガに対しての呪詛を聞いたとき思い出したのは少女マンガというより「愛と誠」の方だった*1。あれもケンコバの言うとおり早乙女愛は自分を好きでいてくれる優しい男、岩清水”きみのためなら死ねる”弘がいながら不良の太賀誠に惹かれていしまう。そして中身的には王道の少年漫画でありながらなんとなく少女マンガっぽい(特に初期の頃)絵柄であった「るろうに剣心」でもヒロイン神谷薫は(普段は優しいが)訳ありの過去を持つ剣客緋村剣心の惹かれる。そして今作。武井咲はその主演作全てにおいて少女漫画的王道ヒロインを演じている。すなわち「厄介な男に惚れる世間知らずの女子」
 連続ドラマの方はそんなにチェックしていないが(そういえば松坂桃季と武井咲は「アスコーマーチ」で共演済みだったのだな。そしてあの作品もこの図式に当てはまるような気がする)確かに武井咲には少女マンガ的なヒロインが似合いそうな雰囲気がある(お姫様カット似合うしね)。今年はこれまで武井咲の主演映画(「愛と誠」が映画デビュー作かと思っていたのだが「桜の園」という作品に出ていたようです。まあ主演第1作が「愛と誠」ということで)をなぜか観続けて来たけれど、このように法則性があると面白い。可能なら今後も観続けたい。
 松坂桃季はくさいセリフが嫌味にならずさらっと言える点ではこちらも「少女マンガの王道ヒーロー」ポクはある。これもしかし、「シンケンジャー」で時代がかったセリフをたくさん言っていたのも影響してるのかなあ、と思う。

 音楽は先のPerfumeナチュラルに恋して」初めとしてJ-POPが彩ります。僕はほとんど知らない人たちだけどうまく劇中を彩っていたと思います。

「今日、恋をはじめます」オフィシャル・アルバム

「今日、恋をはじめます」オフィシャル・アルバム

今日、恋をはじめます (小学館文庫)

今日、恋をはじめます (小学館文庫)

関連記事

武井咲作品
愛アンマンとワイルドタイガー誠 愛と誠
十字傷ハ、マダ有ルカ? るろうに剣心
 
松坂桃季作品
侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー銀幕BANG!!
殿が外道で天使と海賊 天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックON銀幕
 
監督の前作
さよなら3組またきて地獄 アナザー/Anoter

 僕は不慣れなジャンルではあったのでこういう特撮番組に絡めた書き方をしてしまったが、人によってはいつまでも引きづられるのは嫌だと思うかもしれない。その辺は肝に銘じておきます。

*1:というか僕はあんまり少女マンガ読んでないです。最近のだと「君に届け」ぐらい(しかもアニメからの後追い)