The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

アベンジャーズがやってくる!

 さあ!いよいよ「アベンジャーズ」の公開です。日本はアメリカ本国と約3ヶ月もブランクが空いてしまい、その間向こうで興業的にも作品評価的にも成功しているとの情報が我々をやきもきさせていたわけですが、それも後少し、やっとのこと公開です。同じアメコミ映画でも「ダークナイト ライジング」とは全然別物です。世界情勢がどうとか、キリスト教がどうとかいう話は最低限にしてとにかく楽しみましょう!
 とはいってもここに至るまで5本の単独シリーズがあり、それを知っておかないと(別に見ていなくても充分楽しめるとは思うけど)大変なことも事実。そこで簡単に過去の「マーベル・シネマティック・ユニバース」について予習・復習してみましょう。まずはアメリカ公開順に。

アイアンマン

 記念すべき一本目。これまでマーベルは映画化権を各映画会社にバラ売りしていたけれど、それをマーベルスタジオが引き受けることで可能となった映画におけるマーベルユニバースの実現!とはいえこの一作目では他のヒーローを直接本編で匂わせる描写はなくキャップの盾がトニー・スタークのコレクションとして登場するぐらい。トニーを演じたロバート・ダウニーjrが自分のこれまでの(酒などで大変だった)キャリアと役柄をうまく融合させて見事に演じきった。
 特筆すべきはS.H.I.E.L.D.(国土戦略なんちゃらで登場してラストで「略称が決まりましたよ。シールドです」とコールソンがさらっと言った時のゾクゾクした感じは最高でしたね)の登場とエンド・クレジット後(これもシリーズ通してのお約束となった)にサミュエル・L・ジャクソン扮するニック・フューリーが登場したこと!この作品の成功が以下の作品群の製作、ひいては「アベンジャーズ」につながる。
 スタン・リーはパーティーでトニーにヒュー・ヘフナーと間違われる役。

インクレディブル・ハルク

 なぜか日本では「アイアンマン」より早く2008年の8月1日に公開された。僕は初日に観に行ったが、次の日の2日に「ダークナイト」の公開があり、その衝撃ですべて吹っ飛んでしまったある意味不幸な作品。不幸といえば主役のエドワード・ノートン先生はこれ一作でブルース・バナー役は終わりになってしまいアン・リー監督版「ハルク(2003)」同様、微妙な感じになってしまったので、「これはアベンジャーズ関連作なの?」と疑問を持ってしまう人もいたようだ。一応、関連要素としてはそもそもバナー博士が行なっていた軍の実験はキャプテン・アメリカを生み出した「超人兵士製造計画」を再現するための実験の一環で、後にエミル・ブロンスキーが打つ超人血清などからもキャップの影響が見て取れる。
 時間軸的には「インクレディブル・ハルク」の中盤が「アイアンマン2」終盤(シールド基地のモニターにハルクの大学での事件を伝えるニュース映像が使われている)にあたる。「マイティ・ソー」の特典映像によると怪物アボミネーションと化したエミル・ブロンスキーの処遇についてサンダーボルト・ロス将軍が軍で収容・研究する主張しており、アボミネーションの身柄をシールドに渡すよう説得するために「アイアンマン2」でアベンジャーズの相談役となったトニー・スタークが派遣されたらしい。それが「インクレディブル・ハルク」ラストの酒場のシーンに繋がる。
 改めて出揃ったところで観返すとやはり、ちょっとこの作品だけ浮いている感じは否めない。それでもオリジン部分をあっさり処理したり頑張った作品ではある。
 スタン・リーはハルクの血が混入したブラジル産ジュースを飲んで昏倒する役。これがきっかけでハルクの居場所がバレる!

 

アイアンマン2

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 前作の大ヒットを受けて作られた第2弾。トニー・スタークのアーク・リアクターによって生かされているが同時に徐々に殺されてもいる、という症状を通してそこに父親と関連ある悪役が出てくることでアイデンティティーの危機に陥り、原作ほどではないが酒に溺れるという展開。前作同様飄々とロバート・ダウニーjrがトニーを演じ、同様に自らのキャリアを役に反映させたような形でミッキー・ロークが敵役。また役者は変わってしまったが、ドン・チードル演じるローディがウォーマシーンに扮する。
 ニック・フューリーが中盤に出てきてこれまでのゲスト出演的な感じではなく、きちんと物語に登場。ブラック・ウィドーもここで初登場。ただ僕が期待したのはもっと悪女風だったんだけど、さて「アベンジャーズ」ではどうなることか。
 このへんになるともはやシリーズが地続きであることを隠さなくなって来ていて、途中でコールソン捜査官は「ソー」の方に関わるためニュー・メキシコに転属になったりする。この時点ではトニーはあくまでアベンジャーズの一員ではなく相談役という形なのだがそれがどういう形でメンバーとなるのか?
 ラストは一見すると(日本の観客には特に)わけがわからないクレーターの中心にある槌、というアイアンマンとは直接関係のない描写で終了。
 スタン・リーは今度はラリー・キングに間違えられます。

 

マイティ・ソー

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 これまで、「アイアンマン」にしても「インクレディブル・ハルク」にしてもそれぞれ機械工学、生物学と違いはあったがどちらも科学的SF的なアプローチのヒーローであったがここで大きく方向転換。北欧神話の神々が登場!オーディンの息子雷神ソーはその好戦的な振る舞いで戦乱の危機を招いてしまい、神としての力を奪われ地球に追放される。そこで天文物理学者のジェーン・フォスターと出会うが・・・
 とにかく豪快で憎めないソーのキャラクターが魅力的で実は僕はシリーズの中では一番好きかもしれない。シリーズの主演俳優の中ではこの時点ではほぼ無名なクリス・ヘムスワースが好演している。アスガルドの神々はマーベル・シネマティック・ユニバースにおけるファンタジー要素のほとんどを担ってる部分もあるようで*1ある意味シリーズの根幹になる作品ともいえる。
 ソーがムジョルニアを取り囲むように作られたシールドの拠点に侵入する際、彼を弓矢で狙おうとするのがクリント・バートンことホークアイ。ここでの出番はほんのちょっとだが、「アベンジャーズ」では彼の行動が物語の発端になるようだ。
 敵キャラであるソーの義弟ロキは原作よりもシェークスピア的に複雑な人物になっていて、彼の存在がアベンジャーズを結成させる契機になることは間違いない。そしてそもそもビフロストが壊されている現在どうやってソーが再び地球にやってくるのか、そこから見所である。
 ラストはシールドの基地でコズミックキューブを見せられるセルヴィグ博士。博士は興味を示すが彼にはロキが取り憑いていた・・・
 スタン・リーは地球に落ちてきたムジョルニアをトラックで引き抜こうとして荷台を壊してしまう!

 

キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー

キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー  ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

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 最後に現れたのはマーベル・シネマティック・ユニバースにおける最初のスーパーヒーローであるキャプテン・アメリカ。時代もグッとさかのぼって第二次大戦が舞台。愛国心あふれる虚弱青年スティーブ・ロジャースは兵役に志願するがことごとく不合格に。しかしその高潔な精神をアースキン博士に認められ、超人兵士計画の被験体に。キャプテン・アメリカとしてレッドスカル率いるヒドラ党と戦い活躍するが、最後は敵の決戦兵器もろとも北極に墜落、そのまま氷漬けになって仮死状態に。よみがえるとそこは70年後の世界だった・・・
 純朴そうな青年、スティーブ・ロジャースを演じるのはこれまでに「ファンタスティック・フォー」シリーズでチャラチャラしたヒューマントーチを演じたクリス・エヴァンズ。最初は不安だったが見事にアメリカの象徴を演じた。しかしまさか歳を重ねて逆に純真になっていくとは本人も思っていなかっただろう。
 シールドの前身となった戦略科学予備軍(SSR)やトニー・スタークの父親であるハワード・スタークの若いころが登場。トニーは結構年取ってからできた子供なんですな。
 最後に蘇った時点がシリーズのどの時点に当たるのかいまいち不明なのだがニック・フューリーとしては彼の存在を持ってアベンジャーズの結成を考えたのではないかと思う(「アイアンマン」のラストで「ヒーローが自分だけだと思うな」とすでにほかにスーパーヒーローがいることを匂わせている)。
 スタン・リーは表彰されるキャップの式典にやってくる将校(戦時中なので上記のスタン・リーとは別人?*2

 さて、次は簡単に劇中の時系列順で並べてみよう。勿論厳密に時刻が劇中に出てくるわけではないのでおおよそである。

  • 10世紀、アスガルドの神々が地球を侵略しようとしたラウフェイ率いる霜の巨人の軍団を撃退する。その際、オーディンはラウフェイの息子ロキを見つけこれを保護、自分の子どもとして育てることにする。(ソー)
  • 1942年ノルウェーナチスのヨハン・シュミット率いる部隊がトンスベルグに侵攻、オーディン由来のコズミックキューブを奪い取る(その前にシュミットはアースキン博士によって超人血清を受けている)。(キャップ)
  • スティーブ・ロジャース青年がキャプテン・アメリカとなりヨハン・シュミットことレッドスカル率いるヒドラ党と戦い、北極で行方不明になり仮死状態になる。(キャップ本編)
  • 1970年代、スターク・エキスポ開催。(アイアンマン2
  • 2000年代、この頃ブルース・バナー博士がガンマ線の研究で事故を起こし緑色の怪物となり行方をくらます。(ハルク)
  • 2008年?、トニー・スタークがアフガニスタンでゲリラ組織に拉致される。パワードスーツを作り脱出したトニーは兵器製造から撤退を決意する。一方トニーはアイアンマンとして活動を始め、会社の乗っ取りを図るオバディア・ステインを破る。トニーは自らアイアンマンであると発表。(アイアンマン本編)
  • 2010年?、トニーに復讐を企むイワン・ヴァンコがスタークインダストリアルのライバル会社であるハマーと手を組みスタークエキスポの会場で事件を起こす。父親の遺産を元に新元素を開発したトニーはアイアンマンマーク7マーク6*3を作り、彼とウォーマシーンがこれを解決する。トニーはアベンジャーズの相談役となる。(アイアンマン2本編)
  • 同じ頃ブラジルに逃げていたブルース・バナー博士が発見されアメリカ軍がこれを捕まえようとする。バナー博士はアメリカに戻るが、ハルクとして追われるはめに。超人血清を打ち彼を追い続けるエミル・ブロンスキーが暴走し、ガンマ線を浴びてハルクを超える怪物アボミネーションとなるがハルクがこれを倒す。バナー博士は再び姿を消す。(ハルク本編)
  • 霜の巨人と戦争の火種を起こしたソーがオーディンに力を奪われ地球に追放される。地球に追放されたソーはジェーン・フォスターとともに行動することに。一方アスガルドではオーディンが眠りにつき、代わりにロキが王座に。ロキはソーを抹殺するするべく地球にデストロイヤーを送り込むが力を取り戻したソーに敗れ、ロキは壊れたビフロストとともに次元の彼方に落ちていった。(ソー本編)
  • キャプテン・アメリカが約70年の眠りから冷め、現代のNYに。(キャップ)

 
 と言った感じでしょうか。 
 
 それぞれの単独の記事はこちらのまとめページから行けます。

小覇王の徒然なるままにぶれぶれ!: マーベル・シネマティック・ユニバースまとめ

 本国の公開とは時間が経ちすぎているし、作品の成り立ちが違うので「ダークナイト ライジング」の時のようなネタバレ云々というのはあまり気にならない作品ですが、それでも早く観たいですね。どうせ複数回見るのは決まっているのですけれど。公開日が近づくに連れアベンジャーズ欠乏による禁断症状が加速します!
 後はやっぱりスタン・リーがどこに出ているか?ですね!
AVENGERS ASSEMMBLE!

Avengers

Avengers

 

*1:原作だと他にもオリンポスやヘリオポリスの神々、更に魔界なども登場する

*2:当のスタン・リーは当時既にマーベルコミックスで働いていた

*3:マーク6でした。7はアベンジャーズ出てくる新スーツ。フライング!