The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

蝙蝠侠:黒暗騎士:黎明昇起 ダークナイト ライジング

 タイトルは三度、中國語題から。

 先行公開の初日に観てきました、「ダークナイト ライジング」。川崎のIMAXです。待ち望んでいた4年間が無駄にならなかったと思いましたね。例によって賛否両論のようですが僕にとっては大事な一本となるでしょう。
 この作品、物語的にはなるべく前情報を仕入れないで(ただし当然のことながら、シリーズ前2作は見ておいた方が良い)観に行ったほうが良いと思います。勿論これまでの作品同様、物語のたたき台になった原作のエピソードがあって、それと予告編を読みこめばある程度予想はつきますが、それでも初見で見る場合はネタバレしないほうがいいでしょう*1
 僕自身、4年前に「ダークナイト」を観た時と似た興奮が冷めやらず、物語に深く踏み込んだ感想はまだ書けそうもないし、どうせ最低もう一度見るのは決定なので今回は物語には触れず、簡単に初見の感想を書こうと思います。そういうのは「ダークナイト」の時同様二回目を観てから。
 
 とりあえず、見事な完結編でした。僕が今まで観た映画の中では「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」と並ぶ最高の完結編、または三部作の三本目でした。「王の帰還」が原作付きで、しかも最初から三部作として制作されたことを思うと、一作ごとに制作(前作のヒットを持って続編の制作が可能)された「ライジング」の出来栄えは奇跡的とさえ思えます。
 見事なのは単に「バットマン・ビギンズ」→「ダークナイト」→「ライジング」と続くというより、「ビギンズ」→「ライジング」、「ダークナイト」→「ライジング」というそれぞれの直接の続編、という感じになってたことです。
 原作の要素もふんだんに取り入れられてました。ともすれば「必ずしもバットマンでなくてもいい」とか言われた「ダークナイト」に比べるとまず間違いなく「バットマンの物語」になっています。これはストーリー原案を監督のクリストファー・ノーランとともに担当したデヴィッド・S・ゴイヤーの功績だと思いますが結果としてまず「コミックスの映画化」として成功しています。
 
 見事な完結編、最高の三部作の三本目、と書きました。この作品はあくまでこれまでシリーズを観てきた人向けです。これだけ単独で観ても正直分からないことも多いでしょう。一映画作品で観た時の評価はまた別かもしれません。矛盾はたくさんあります。突っ込みどころも多いです。でもそういう緩さも神話的でさえある。そしてこの作品は911〜現代の世界的な不況をもっともうまく表した映画だとも思いますがリアルと神話を絶妙に行き来します。

ダークナイト・ライジング オリジナル・サウンドトラック

ダークナイト・ライジング オリジナル・サウンドトラック

 
 現代の神話は見事伝説になりました。

*1:作品によって必ずしもネタバレによって物語が楽しめないわけでは無いけれど、この作品はネタバレしないほうが楽しめると思う