The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

アルセーヌ・ルパン×仮面ライダー×3億円事件犯人・・・&馬

 今月買った主な漫画。

アバンチュリエ

 第3巻。僕は小学生の頃、学校の図書室や市の図書館などでモーリス・ルブランの「アルセーヌ・ルパン」シリーズを読みふけっていた時期があった。勿論完全訳ではなく南洋一郎による版である。あの当時、児童向けの推理小説は色々と読みふけっていたが一番ハマったのが「怪盗ルパン」シリーズ、次が江戸川乱歩の「少年探偵団」シリーズだった。もしかしたら今の(とう言うか自分の世代でも)子供とかはルパンといえばオリジナルより「ルパン3世」のほうが先に来るのかもしれないが、僕の場合はオリジナルが先。余談だが僕がルパンを読んでいる、と親から聞いた親戚がそれを3世のほうと勘違いしてアニメの第一期を録音してくれたテープをプレゼントしてくれたのが「ルパン3世」との出会いでもあった。
 そんな、ルパンシリーズ、勿論後には完訳の方も読んでいるのだが、それを原典に忠実に漫画化したのが森田崇による「アバンチュリエ 新訳アルセーヌ・ルパン」である。
アバンチュリエ(1) (イブニングKC)

アバンチュリエ(1) (イブニングKC)

アバンチュリエ(2) (イブニングKC)

アバンチュリエ(2) (イブニングKC)

 実はこの漫画は例によって徹夜城さんのサイトの書き込みで連載の情報を知って最初から注目していた。また徹夜城さんのところの「怪盗ルパンの館」の掲示板には作者である森田崇さんも出入りしている。かくいう僕もtwitterでフォローさせてもらっている。
 この3巻までで最初の短篇集である「怪盗紳士ルパン」のエピソードはほぼ終了。第4巻からは現在連載中の長編エピソード「金髪の美女」つまり「ルパン対シャーロック・ホームズ」に入る。ただ、多少の変更もあって「怪盗紳士ルパン」の二つの短編、「アンベール婦人の金庫」と「黒真珠」が漫画化されていない一方、のちの短篇集から「赤い絹のスカーフ(赤い絹のショール)」が挿入されている。「アンベール婦人の金庫」はルパンの泥棒デビューの頃のエピソードなのでこの時点での割愛は分かるが、「黒真珠」でなく「赤い絹のショール」が先に登場したのはなにか意味があると推察。思うにこの漫画化ではガニマール警部の描写に力を入れているように思うのでその強調ではないかと思う。
 さて、第3巻のメインエピソードはやはりなんといっても「遅かりしハーロック・ショームズ」だろう。一般に原作の日本語訳では「遅かりしシャーロック・ホームズ」として知られてるルパンと名探偵ホームズが対決(といってもこの時点ではほんのさわりに過ぎないが)するエピソードである。元々はルブランがコナン・ドイル側の了承を得ず、当時既に名声を物にしていたホームズを勝手に登場させたクロス・オーバー作品だったのだがドイル側から文句が来て(そりゃそうだ)単行本化される際に「ハーロック・ショームズ」に改められたもの。「SHERLOCK HOREMS」が「HERLOCK SHOREMS」になったわけで単にファーストネームの「S」がファミリーネームの前にくっついたわけで日本では原則「シャーロック・ホームズ」と訳されるのが一般的である。「アバンチュリエ」では原典に忠実ということで「ハーロック・ショームズ」表記。これも幾つかあってフランス語では発音しない「H」や「S」があるのでフランス語発音では「エルロック・ショルメ」なのだがホームズは元々イギリス人であるし、と言うことで「ハーロック・ショームズ」になったのだろう(ハーロックと言いたいだけ、とは作者本人が言っておられました)。なのでホームズであってホームズにあらず。代わりに形容詞として「コナン・ドイルの小説から抜けだしてきたような」とか「いやそのモデルと噂の」などと言われている。ルックスは我々のイメージするところ、鹿撃ち帽にフロックコートのホームズの基本イメージに忠実ではある。ちょっと耳が尖ってて「スタートレック」におけるバルカン人のようでもある。
 若いルパンとベテランのホームズの対比も面白く、今回の前哨戦ではなく長編における対決が待ち遠しい。
 一方、ホームズやルパンに比べると「「天才的なひらめき」が欠けていた」と表されるガニマール警部はその無骨さは刑事ドラマの典型(というより「ルパン3世」における銭形警部のイメージに近い)のようだ。「赤い絹のショール」での彼のセリフがアルセーヌ・ルパンと作品の今後を暗示しているようだ。

悪事というのはなルパン・・・
手を染めだしたら「自分の思っている範囲に留めておく」事なんてできやしないんだ・・・
いずれ歯止めが効かなくなる!!しっぺ返しも受ける!!!
いつか・・・いつかもっと深い闇に堕ちるぞルパン!!!

 ルパンの入門編としても最適な一作。3世の方しか知らない方もぜひ読んでみていただきたい。僕もこの作品に触発されて久方ぶりに原作の方を読み直してる最中である。
 ちなみに南洋一郎版を読み始めた当時名前の響きからかなぜかモーリス・ルブランはイギリス人、コナン・ドイルはドイツ人、と思い込んでいた時期があった。それで「外国を舞台にしてヒットさせるなんて凄いなあ」などと見当違いの感想を漏らしていたのであった。ギャフン!

怪盗紳士ルパン (ハヤカワ文庫 HM)

怪盗紳士ルパン (ハヤカワ文庫 HM)

仮面ライダーSPIRITS

新 仮面ライダーSPIRITS(6) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

新 仮面ライダーSPIRITS(6) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

 次は「仮面ライダーZX」の新訳漫画、村枝賢一による「新仮面ライダーSPIRITS」の6巻。5巻から続く「仮面ライダースーパー1」編。この漫画の特徴は一部(バダン怪人など)を除き、造形がTV版に忠実なこと。それでいて「着ぐるみっぽさ」はあまり感じず、普通に格好いいのは作者の実力とそれにもまして愛が感じられるからだろうなあ。個人的にはデルザーの改造魔人軍団の活躍がもっと見たいです。
 ところで、映画の方は「スーパーヒーロー大戦」が公開されてますが、これは・・・。いずれ感想書きますがちょっと問題作ですね。怒り半分、呆れ半分。

モンタージュ

モンタージュ(7) (ヤンマガKCスペシャル)

モンタージュ(7) (ヤンマガKCスペシャル)

 こちら、発売は3月だったようですが僕が気づかず一ヶ月おくれで購入。殺し屋朝霧が退場。物語のキーマン川崎雄大と悪徳警官関口が邂逅、関口もついに退場か・・・!物語は肝心お3億円事件そのものの解明には遅々として進まないが、現在連載中の展開ではやっと進む模様・・

銀の匙

銀の匙 Silver Spoon 3 (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon 3 (少年サンデーコミックス)

 第3巻。うちは父親方の実家は一応農家なんですよね。牛を飼っている親戚もいるし(今はどうなってるかわからない)。なので全くの無知ではないのだけどやはり専門的なことは分からない。そういう意味ではある種の業界漫画としても読めます。
 でも今回の見所は夏バテで痩せてしまったというタマコですよ。まあタマコはどっちでも可愛いですけどね。「glee」のローレンや「SKET DANCE」の矢場沢さんとか太っていてそれを自覚してるけど特にコンプレックスにしておらず(そこまで至るには色々合ったかもしれないが)自分に自信を持っているキャラが最近良くてタマコもその系譜。だから太ってたっていいんだぜ!
銀の匙 Silver Spoon 3 銀のスプーンつき特別版 (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon 3 銀のスプーンつき特別版 (少年サンデーコミックス)