The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

シーズン2強く希望! 仮面ライダーW RETURNS

 ちょっと映画「仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX」の魅力が強すぎて特に久しぶりに出会った「W」が懐かしすぎて、2回目を観た後、思わず2011年に出た「仮面ライダーW」のオリジナルビデオ2本と同時期の「天装戦隊ゴセイジャー」のオリジナルビデオをレンタルで鑑賞。

帰ってきた天装戦隊ゴセイジャー last epic


 このオリジナルビデオは前作「侍戦隊シンケンジャー」のオリジナルビデオである「帰ってきた侍戦隊シンケンジャー特別幕」がTV本編中の時間軸に位置する作品だったのに対して、文字通り「帰ってきた」TV本編終了後の物語。冒頭で「海賊戦隊ゴーカイジャー」オープニングの「レジェンド大戦」の模様が描かれその少し前、とされる。

 救星主のブラジラを倒した後、護星天使は護星界に戻らず地上で暮らしていた。何かあれば天装して人々を助けているがその都度人々の記憶を消していたが、ある時記憶を消す天装術が使えず、ゴセイジャーの姿を覚えられてしまう。ならばいっその事、と記者会見を開いてしまうのがアラタたちらしい。そしてマネージメントを引き受ける芸能プロまで現れる。アラタたちはアイドルヒーローとして一躍人気者となるがあるとき何者かに嵌められてしまう。人気が一気に悪評に変わるが・・・

 話自体はTVシリーズに準じたたわいのない話。それでも敵モンスターがゴセイジャーの3大組織全てで戦闘員を担当したビービ虫の生き残りがダークゴセイパワーでパワーアップしたキングビービというのが面白い。彼が取り憑くのが岩佐真悠子。この人よく見ると個性的な面白い顔してるよね。美人だけど。後は6人目のゴセイジャー候補(芸能事務所が勝手にデビューさせようとしたので護星界となんの関係もなし)がいたりするのも面白い。
 とはいえ何と言っても「ゴセイジャー」の場合望くんとゴセイナイト。ああ、望くんかわいいよ。

帰ってきた天装戦隊ゴセイジャー last epic【DVD】

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仮面ライダーW RETURNS 仮面ライダーアクセル

 こちらは「仮面ライダーW RETURNS」と称される「W」のオリジナルビデオの一本。TVと映画「MOVIE大戦CORE」を経て結婚した照井竜と亜樹子の後日談であるスピンオフ。

 新婚夫婦である照井と亜樹子だが照井は亜樹子を「所長」としか呼ばない。照井はあるときスリグループがドーパントと思われる怪物による惨殺現場に遭遇。風都にやってきた刑事と合同調査を始める。生き残った女スリ葛木葵と接触するが現れたコマンダードーパントによって刃野刑事が撃たれそれが照井のせいにされてしまう。

 照井を主人公とした外伝といった趣の一編。後述の「エターナル」に比べると本編との絡みは少なく純粋に新作としても楽しめる。コメディー部分も多く、特に亜樹子とのやり取りは愉快。
 物語は仮面ライダーアクセルこと照井竜の立ち位置を再確認する、という物。犯罪者を問答無用で処罰するコマンダードーパントにお前も処刑人になれ!と言われる照井。しかし照井は今や単なる復讐に燃える処刑人ではない。
「メモリブレイク、それがオレのやり方だ。お前を裁くのは・・・法だ!」
 ところでここでコマンダードーパントを演じた田中実氏は実質これが遺作ではないだろうか(ウィキペデイアによると2時間ドラマの刑事役が最後のようだが)。メイキングを見てるととても明るく演じているのでまさか自殺するとは・・・合掌。

仮面ライダーW(ダブル)RETURNS仮面ライダーアクセル [Blu-ray]

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仮面ライダーW RETURNS 仮面ライダーエターナル

 こちらは傑作「仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ」の前日譚。敵役仮面ライダーエターナルこと大道克己の物語。最初はいつものようにガイアメモリ事件(変身した後のフィリップの身体を人質に取られる、という有りそうでなかったシチュエーション。ちなみにここでガイアメモリ使用者を演じているのは脚本の三条陸氏)を解決した翔太郎たち。そこに超能力を使う謎の美女(ミーナ)が襲いかかる。彼女によればWが倒した風都史上最大の犯罪者・大道克己は自分たちを地獄から救った英雄だという。
「すなわち、仮面ライダー?」
とフィリップが言う。この意味では「運命のガイアメモリ」では姿たかちがあんなでも翔太郎たちはエターナルを仮面ライダーとしては認めていなかった。
 克己たちNEVER(ネバー、NECRO-OVER(ネクロオーバー)の略で死体蘇生兵士)はガイアメモリに主力戦力としての座を奪われ、傭兵として生きてきたが、あるとき東南アジアで超能力を使う少女(ミーナ)と戦う。それは財団Xのもう一つの超人兵士計画「クォークス」の被験者でドクター・プロスペクターによって開発研究されてきた。被験者はヴィレッジと呼ばれる施設に閉じ込められており結果として克己が彼らを救うことになる。
 面白いのはTVシリーズにも登場した財団Xの加頭順が登場すること。彼は最初エターナルとして登場する。彼によると財団Xによって開発された(資金援助含む)物はまず彼が試すのが通例。しかしエターナルメモリ(試作品)は彼を拒否し大道克己と惹かれあう。このガイアメモリ
が誰でもいいわけでなく適性と言うか人を選ぶ描写はTVでもあった。また「フォーゼ」のゾディアーツスイッチもそのような描写があるようだ。ちなみに財団Xはゾディアーツスイッチにも資金援助しているね。
 加頭順は感情に乏しい人物で僕はてっきりそれは彼がNEVERであることが原因かと思っていたのだがそうではないようだ。彼はエターナルメモリを克己に奪われTV同様ユートピアメモリを使う。そしてエターナルとなった克己に敗れ死亡する。その上でNEVERとしてTVシリーズに繋がるわけですな。元々感情に乏しい人物でそれ故選ばれた人なのか。
「アクセル」に比べるとかなりシリアスで要所要所で須藤元気演じる京水がオカマ口調でふざけるシーンはあるもののBGMがシリアスなので笑えるところは少ない。
 結果として克己たちは人々を救い出すことに失敗する。そして「人は皆悪魔だ」と確信。この辺の描写は「デビルマン」で悪魔狩りをする人間に不動明が絶望するシーン、あるいは「幽遊白書」における仙水のエピソードと似ている。
 そして壊れた試作品のエターナルメモリを捨て生まれ故郷である風都に向かう。その時にはすでに克己の目は変わっていた・・・
 ラスト、翔太郎たちは語る。

翔太郎「大道克己、お前はどこかで一つでも運命が変わっていたとしたら、オレたちと同じように風都を守る仮面ライダーになっていたはずだ。そんな男だよな」
フィリップ「大道克己、君は街を深く傷つけた。その罪は永遠に消えることはない。だけどせめて弔いの花を贈ろう」
「ああ、ここ風都がヤツの故郷であり、墓標だ」

 「運命のガイアメモリ」と表裏一体のような作品なので併せてみると良いと思います。「アクセル」も「エターナル」も僕が「MOVIE大戦 MEGA MAX」で感じたディケイド以前の平成ライダーとW以降のライダーの違いみたいなものを補強してくれていたので2つとも短いながらとても満足だった。

 現時点で判明している財団Xの開発・投資対象兵器一覧

  • NEVER(凍結)
  • クオーク
  • ガイアメモリ
  • オーメダル
  • ゾディアーツスイッチ
  • ミュータミット

 
 最近マジで「仮面ライダーW」シーズン2作らないかな、と渇望している。ニチアサの時間枠で30分一年、というのは無理としても(個人的には必ずしも毎年新ヒーローが生まれなくても構わないのでそれでもいいのだが)普通のドラマみたいに一時間1クールとかでもいいからやらないかなあ。もちろん、オーズやフォーゼ、あるいは今後の新ライダーで財団Xと絡ませるのもいいのだけどやはり財団X絡みの締めは「W」で!
 あと、「W RETURNS」は脚本(三条陸)がいいのは勿論、監督の手腕も確かです。監督は二本とも坂本浩一監督。この他「運命のガイアメモリ」「MOVIE大戦 MEGA MAX」も坂本監督なのですね。この人が今後いわゆるジャンル映画にこだわり続けるのか、一般映画も手がけるのかは分からないけど、もしかしたら日本映画を支える監督としてもっと注目してもいいかもです。


 ところで中学生にしか見えない(という設定の)亜樹子を結婚しても「初潮」と呼びつづける照井竜はとんだセクハラ野郎だと思います!(実際は「所長」です)