The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

最後までまったり放課後ティータイム 映画けいおん!

 元日に映画を劇場で観る、というのは中学以来映画鑑賞を趣味にして以来の個人的恒例行事なのだけど、今年は豪華二本立て。一本はすでに観た「仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX」。新年にふさわしい楽しい映画で二度目観てもこれは傑作!という思いは揺らがなかった。そしてもう一本は人気TVアニメの劇場版「映画けいおん!」。今年の僕は邦画から始まりました。

物語

 大学進学も決まり、後は卒業するだけとなった軽音部3年。唯たちは下級生部員の梓になにかプレゼントをしようと考える。一方、他のクラスメイトが卒業旅行に行くのを知った唯たちは軽音部でも卒業旅行を計画。行き先をロンドンに決め、なぜか梓も一緒に行くことに。
 そして唯たちは梓に贈る歌を考えていたのだった・・・

 えー、僕はそんなに熱狂的な「けいおん!」ファンでは無いと思うんだけど、一応、アニメ第一期をたまたま見て面白いと思って原作漫画を買い、第二期は普通に全部チェックする、そのぐらいのファン。どうなんだろう?一般から見たら充分熱心なファンということになるのかな。
 このブログでも何度か触れているけれど、僕は高校時代吹奏楽部に所属していて、それは廃部寸前だった部を自分たち一年生が復活させたものなので似た境遇の物語、例えば「スウィングガールズ」とかはかなり思いいれてしまう。しかもその吹奏楽部、実は最初は軽音楽部だったのですな。たまたま国体があるということで県が各学校に吹奏楽の楽器をバラまいたので、じゃあ、せっかく楽器あるんだし吹奏楽部にしちゃえ、という具合だった。そんな思い出があるのでこの「けいおん!」にも無条件で共感してしまうのだ*1
 また、「けいおん!」の場合女子高が舞台ということもあって年頃の男がほとんど登場せず恋愛要素がほぼゼロなのもいいところ。僕は高校生の制服を着た恋愛物は非常に苦手なのだ。もちろんかと言って女子高物にありがちな百合的要素もあんまりない、というと「そんなことないじゃないか」という声もあるかもしれないが僕のなかであれらは異性より同性とつるんでたほうが楽しい年頃の描写、で充分だと思う。それこそ「宇宙人ポール」におけるサイモン・ペッグニック・フロストみたいに同性同士でいちゃいちゃしてたほうが楽しいということもあるものだ。まあ、確かに今回劇中で梓が唯をそういう風に疑う(梓のための歌詞を考えてたりしたため)シーンがあったりするが。個人的にはムギちゃんのも一過性のものと思うよ*2が。
 ところで、ある時期頻繁に流れてた「映画けいおん!」のTVCMだがすこしばかり予告編詐欺があって僕を不安にさせた。

 これの「熱愛発覚!?」と澪が「目指す音楽の方向性が違ってきたんだ・・」というヤツですが、両方共劇中でそんなシーンは無く、唯たちのお遊びです。前者はまあ、空港で芸能人の真似をしてるんだろうな、というのが分かるのでよいが澪のセリフのやつは始まってすぐに梓を驚かせるために唯たちが小芝居売ってるだけなのですな。なんか「けいおん!」の場合そういう「恋愛」だとか「仲間割れ」とかは余計な要素でしか無いので一安心。
 
 日本のTVアニメが映画化するとなぜかもっさりした台詞のやり取りと骨が入ってないようなクニャクニャした動きになりがち。今回も多少その傾向はあるが、元のTVアニメが非常に作画のしっかりしたものなのでそれほどひどくない。でもこの劇場アニメになるとテンポが悪くなる現象は一体何なんでしょうね。
 ところでこのアニメ、監督、脚本、主なキャストが全て女性(原作者のかきふらいは男性のようです)で「女性の女性によるアニメ」と言えそうだ。女性の為とまで言えるかは分からないが。そのへんが女子高生のまったりした日常を上手く描いている要因とも言えそう。
 物語は唯たちのイギリス、ロンドン旅行がメインと言いたいところだが、意外と卒業旅行をはさむ形で学校での出来事が多い。なので物語としてのバランスは少しおかしい。ロンドンから帰ってからの出来事はもう少し短くても良かったのでは、という気もする。
 ロンドン旅行は多少のトラブルはあるものの概ね楽しく過ごしていく。途中梓にバレないように曲作りもする、というドラマがあってなぜかロンドンでも演奏する、というイベントがあるぐらい。人によっては物足りない、という人もいるかも知れないが僕が「けいおん!」に求めているのはそういうものでは無いのでこれでいいのだ。だいたい、いざとなったらムギちゃんのマネーがあるでしょ、故に緊迫感はゼロ。でもそれがいい。むしろ憂も連れていってくれれば更に安心して観れたよ!

 最後の教室でのライブってTV第二期でもあったような気がするのだが気のせいかな(今現在録画が消えてしまって確認できず)。もしそうだとしたらわざわざ映画でも繰り返すのはしつこかったかもしれない。
 
 特に何もないが、そこがいい、という稀有なアニメ。TVシリーズを見て良かったと思う人は観に行って損は無いと思います。

映画「けいおん!」オリジナルサウンドトラックK-ON! MOVIE ORIGINAL SOUND TRACK

映画「けいおん!」オリジナルサウンドトラックK-ON! MOVIE ORIGINAL SOUND TRACK

映画「けいおん!」劇中歌アルバム放課後ティータイム in MOVIE

映画「けいおん!」劇中歌アルバム放課後ティータイム in MOVIE

 さて、これで「けいおん!」も終わりかとおもいきやそこは資本主義の力、現在原作の方は唯たちが進学した先の大学編と梓を中心とした高校編が並列連載されているのですな。もう少し続きそうです。
けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス)

けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス)

*1:ちなみにこの時最初は嫌々指導してくれた顧問の先生は今ではそれなりに吹奏楽指導者として有名だとかいう噂も

*2:もちろん登場キャラクターが同性愛者でも構わないがこの作品のはおそらくそうではないだろう、ということ