The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

マダオVS極悪悪人軍団 韓国死闘編 アジョシ

 タイトルの「メキシコ・テキサス編」は「マチェーテ」ですね。

  • 映画を見る前の思い付いたネタ

ケン「経絡秘孔のひとつを突いた。お前の命は後3秒」
悪党「そ、そんな〜3秒なんてい、嫌〜!」
レイ「なら今死ね!シャオーッ!」
悪党「あ・・あべ・・じゃなかった。えー落ち着いて、と。それじゃあ改めて、アジョシ!」(爆発)

というわけで「アジョシ」見ました!

 韓国映画のバイオレンスアクション映画。主演は「母なる証明」のちょっと残念な息子を演じたウォンビン。とはいえ全然雰囲気が違う。

物語

 質屋を営むテシクは世間と離れて暮らしている。彼の元をたずねてくるのは同じビルに住む少女ソミだけ。あるとき彼女の母親が盗んだ麻薬を探してヤクザ、マンソク兄弟がソミと母親をさらった。テシクは親子を助けるためマンソク兄弟の指示に従う。実はテシクには知られざる過去があって・・・

 というわけで一般人だと思って侮っていたらいたら凄腕の特殊捜査官だった、みたいな「マチェーテ」とか「沈黙の戦艦」な話ではある。とはいえウォンビンが普通にイケメン(前半イケメンの鬼太郎、後半はイケメンのジェット・リー風)で、セガールダニー・トレホのような年を重ねた凄みはまだないけど格好よいです。ちなみにウォンビン、僕と同い年です。
 映画はバンに乗っている男達の描写から始まる。どうやら警察らしい、とは分かるのだが現場に乗り込む装備に金属バットとかがあるので少し怖い。話は後半、警察とマンソク兄弟とテシクの三つ巴戦となっていく。ウォンビンは銃の扱いや功夫風、さらにはCQCぽいみたいなものまで駆使して元特殊部隊ぽさを出している。
 ウォンビンを「アジョシ(おじさん)」と呼び慕うのがこの映画のヒロインである、ソミ。演じるキム・セロンちゃんは2000年生まれだそうで撮影時は10歳ですね。恵まれた家庭とは言いがたい環境で育ったソミは寡黙ではあるが受け入れてくれるテシクを慕う。テシクが係わり合いになることを避けても「おじさんまで嫌いになったら私の好きな人がいなくなっちゃう」と言う。子役が重要な作品ってその子役に好感を持てるかどうかって凄い重要な要素だと思うのだけどその点では合格。
 
 ある意味この映画の陰の主役とも言えるのがマンソク兄弟。爬虫類顔のイケメン弟と決して美男子とはいえない兄貴による極悪変態兄弟。麻薬密売、臓器売買、児童売買とヤクザも普通は避ける悪行ばかりっやっている。特に児童売買は子供を金の引き出しに使ったり、角膜などを取ったり、覚醒剤の小分け作業をさせたり(多分最終的にはその筋の人たちに売り払ってしまうのだろう)という極悪ぶり。拷問や殺しにもまったく躊躇しないどころか楽しんでいるサイコ兄弟だがこの手の例に漏れず兄弟間の愛情は深い。マンソク兄弟もソーヤー一家悪魔のいけにえ)もファイアフライ一家マーダー・ライド・ショー)もゲッコー兄弟(フロム・ダスク・ティル・ドーン)も牙一族北斗の拳)も身内に対する愛情が高いとその分他者へは残酷になれるので家族愛も程々にしておくのが良いと思ったよ!とはいえこの映画の見所の一つがこのマンソク兄弟の外道っぷりであることは間違いなくカルト的な人気を集めそうだ。戌年生まれの野良犬野郎!」という罵倒文句は少し素敵だったが。
 

もう一人のアジョシ

 マンソク兄弟のボディーガードのベトナム人(演じているのはタイの人)がウォンビンとは異なる格好よさなのだが、東洋系とは少し異なる顔つきでルックスも役の立ち位置も「用心棒」の頃の仲代達矢を思わせる。彼自身も軍特殊部隊の出身を思わせ、ウォンビンの前に立ちはだかる。彼の性格がいまいちつかめない(殺しを楽しんでいるような描写もある)のだが、彼もソミから「アジョシ」と呼ばれる(僕の記憶が正しければテシクと彼以外にアジョシと呼ばれる男性はいない)。そこがラストへの伏線となっているのかな、と思う。あと、ご都合主義の奇麗事、と思う人もいるかもしれないが、個人的に不必要に子供が酷い目にあう描写は見ていて気持ちのいいものではないのであのラストでよかった、と思う。

 毎回の反省点として、韓国映画を観るたびに「クレジットが読めるくらいにはハングルを勉強したい」と思うのだが毎回その場限りになってしまう。今回は外来語や漢語の音読みに限っては日本語と同じ発音が良く聞き取れた。ソーセージとかも英語発音ではなくて日本語発音と一緒なんだね。
 アメリカ映画のエンターティンメントに特化した作品、ひたすら陰惨になりがちな日本映画に比べると韓国映画のバイオレンス映画は非常にバランスが良いように思える。見せるところはきちっと見せるけれど娯楽作品として一流、という感じ。僕は韓流ドラマはほとんど見ないが(韓国版「ドラゴン桜」はペ・ドゥナはじめ「グエムル」キャストが多数出てたので見た)映画に関しては面白い!と断言してよいと思う。

  • 映画を見た直後に思いついたネタ

ソミ   「アジョシー!」
ジェリド 「あ、女子?・・・なんだ男か」
ウォンビン「なめるな!アジョシが男で悪いか〜!」
ジェリド 「ちょ・・・こいつ強い・・スイマセン許して・・・痛っ!・・・お巡りさ〜ん!」
ウォンビン「金歯以外全部食いちぎってやる!」

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