差別とか宗教とか民法とか色々
昨日今日当たりの話題から幾つか。
ニューヨークでも似た話があったけどこっちは石川県。正直言うと地元の人たちの気持ちも分からないではない。例えばオウムだとか他の新興宗教とかだったら気持ち悪いだろう。でも馴染みがないというだけでイスラム教は新興宗教ではないし、単に異質なものを排除したい、というだけではそれはどんなに見繕っても差別してるだけだ。
記事中によると元々、この地域に信者はそれなりにいてマンションの一室を借りた仮の礼拝所では手狭だから正式にモスクを作ろう、といっているのだろうし、外観による周りの景色との調和などは幾らでも妥協点が見つかるだろう(そもそもそれ以前はマンションでやってたぐらいなのだから)。ムスリム側の真摯な態度に比べて町民側が大人気ないという印象を拭えない。
例えば戦前に無理やり東南アジアなどに神社を建てた日本とは比べられない。
若松東町会の室井健会長(53)は「反対する一番の理由は、イスラム教に絡んでテロが起きている中、いろんなことが想定されるから」と強調。「異文化理解と言っても、静かに過ごしてきた年配の人にとっては不安。今は住民に理解しようという気持ちが生まれていない」と、イスラム教に対する地元の拒絶感があることを認める。
この人の想定する「いろんなこと」を具体的に聞いてみたい。ここのモスクがテロの標的になるというのだろうか?それなら誰に?少なくともムスリムに狙われるということはないだろう。日本の他の宗教の信者か?アメリカか?それならどう見ても悪いのはムスリムではない。それともこのモスクがテロリストの拠点となるとでも思っているのだろうか。いずれにしろ不安ならそれを具体的に示すべき。
同協会は近く、建物の外観を制限する市景観条例などに基づき、市にモスクの建設許可を申請する。条例は地元同意を必要としていないが、松井副会長は「強引に進めたくない。たとえ工期が延びても説明を繰り返したい」とし、今後も理解を求めていく意向だ。一方、町会側は「穏便に引き下がってほしい」としており、接点は見いだせないままだ。
「穏便に引き下がってほしい」・・・語るに落ちるとはこのことで多分田舎の年配の人たちに差別してる、という意識はない。だがだからより問題なのだ。個人的には一般のムスリムは日本の仏教徒や神道の信者よりよほど清廉なイメージがあるけどね。
次の話題、
実に真っ当な判決だよね。こういう本人にはどうしようもない生まれによって区別っていうのはどう見ても差別って言うんだが理解できない人もいるみたいだ。以前高崎経済大学教授で法学者(!)の八木秀次が産経新聞で夫婦別姓問題にかこつけて、非嫡出子差別を肯定していたが、この件でもまた産経新聞紙上で差別感丸出しの勘違い批判をしそう。
関連記事
再録 名前の話 夫婦別姓の件 - 小覇王の徒然はてな別館
多分、産経のほうはリンク切れてます。
たまにこういう民法関連の「古い法律が時代に合わなくなってきている」とかのニュースを読むとびっくりするのがこういう法律って大概明治期に制定されてたりするんだよね。そりゃ時代に合わなくて当然だよ!というか戦後、日本国憲法が施行された折にそれ以前の法律は基本的に廃止されたとばかり思ってた時期も合った。とうてい民主的とはいえず、家父長的な明治期の民法なんて日本国憲法とは基本的に相容れないでしょ!
一度戦前に制定された全ての法律が憲法違反じゃないか審査した方がいいんじゃないかなあ。
以上、久々の時事ネタでした。日本は(建前上は)民主国家で信仰の自由が許された国ですよ!*1