The Spirit in the Bottle

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トランスフォーマー ダークサイド・ムーン 人類編


 まずは前回の記事。

トランスフォーマー ダークサイド・ムーン 超ロボット生命体編 - 小覇王の徒然はてな別館

 今回は人類を紹介したいと思うけど、その前に幾つか。シリーズを通して(どちらかといえば批判的に)よく言われているのが「ごちゃごちゃしすぎて敵味方の区別が付かない」というもの。まあ、確かにトランスフォームシーンとかはパーツが別れすぎてごちゃごちゃしすぎているけど敵味方の区別が付かない、ということは僕はまったく感じなかった。「リベンジ」後半とかでディセプティコンの雑魚兵士の区別が付かない、とかはあったけど少なくともオートボットディセプティコンの区別はどの作品もきちんとつけていたと思う。ロボットアニメとかを見慣れているから、とかそうではなくて意外に分かりやすく作られていると思う。特にトランスフォーマーシリーズというのはここぞというイベントではなく日常的に変形を繰り返すのが日本の一般的なロボットアニメと違って画期的なところだった。例えば「リベンジ」冒頭でもトレーラートラックのまま輸送機から落下して空中でロボット形態に変形してパラシュートを開き、また地面近くになったらトラックに変形、ということが行われている。最近のアニメとかだと日本同様決めポーズ付きで変形したりということも多いのだがそれでも「無意識に変形」というのはこのシリーズの特徴だ。マイケル・ベイは確かにドラマとしての重要性よりアクションの見栄えを優先する傾向があるが、それでもシリーズ通して敵味方の区別が付かない、ということはないと思う。
 もう一点。実はツイッターのタイムラインで「サムとミカエラバンブルビーの三角関係」というような文を見かけ仰天したのだが、最近は男性同士で少し仲が良い描写があるとすぐBL的な解釈をする人が増えているのだなあ。以前タランティーノが「レザボア・ドッグス」で同性同士の友情を描いたら、ホモと勘違いされた、なぜなら欧米には「仁義」という概念が薄いから、というのを読んだことがある。最近では欧米の製作者でその概念をきちんと理解する人が増え、逆に日本人が短絡的に同性愛だと思ってしまう人が増えているのかなあ。いや、勿論そういう映画があっても全然構わないのだが、少なくともバンブルビーに関して言うとそれは明らかに当てはまらないわけで、十分「友情」で片が付く。1作目のサムがミカエラを誘うシーンでBGMを勝手に流したり、サムに都合のいいようにエンジントラブルを起こしたりするシーン、あるいは「リベンジ」でサムを誘惑しようとするアリスを困らせるシーン*1などからバンブルビーが素直にサムとミカエラを応援しているのは明らかなのに。

 さて、それでは改めて人類紹介。今回主役はトランスフォーマーといっても言いぐらいオプティマス・プライムが活躍するがキャラ一人一人の濃さから言うと人類には敵わない。いつものメンバーに加え少ししか出番のない新キャラもキャラが濃い。
 前作から二年経っているが劇中年代ではサムが既に大学を卒業していることから4年ほど経っていて、なおかつ前作の出来事でトランスフォーマーたちの存在はある程度一般人も知っている、ということになっているようだ。
 前作までとの一番大きな違いはミカエラ役のミーガン・フォックスが降板して代わりに新キャラとしてカーリー役のロージー・ハンティントン=ホワイトリーがサムの恋人役になっていることだ。ミーガンが監督と揉めたらしいのだが二作に渡ってサムとミカエラの恋の行方を見てきただけにそういう裏事情で別れさせてしまうのは惜しい。ミーガンの降板を持って脚本を大幅に変えたらしいが、個人的に「役者は変わってもこの女性はミカエラです!」で押し通せば良かったのに、と思う。過去にも「ハリー・ポッター」のダンブルドアや、「バットマン・ビギンズ」と「ダークナイト」のレイチェル・ドーズなど役者は代わったけど同じ人物、という例はたくさんある。「マトリックス」のオラクルなんて台詞の中で「姿が変わったけど気にしないでね」とか言わせてたし。
 まあそんなこんなで「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」人類編どうぞ。
 

サム・ウィトウィッキー(シャイア・ラブーフ

 G1アニメのスパイク、ということになっているが(ウィトウィッキーという姓はコミックスで登場したもの)、結局実写映画シリーズ内では「スパイク」とは呼ばれなかったなあ。最初は高校生だったサムも「リベンジ」で一族初の大学生となり初っ端から天文学の教授*2に喧嘩売って大学生活に暗雲が立ち込めたが無事卒業!おそらく前作での功績が認められオバマ大統領に勲章も貰った。でもミカエラには振られた。てかこの勲章授与の時に後の恋人カーリーと知り合っているんだが、とするとリベンジ直後ぐらいでしょ。あの熱い恋愛描写の後に何があったんだよサムとミカエラ。むしろここで知り合ったカーリーに浮気したから振られたんじゃないのか。見事に女性の(外見的な)趣味は変わらない。現在はワシントンDC在住。
 人類からは少し変わった一般市民でしかないがトランスフォーマー達(敵も味方も)からは人類の代表みたいに思われている。しかし乱世の英雄も平時にはただの凡人、大学を卒業しても仕事は無く、今日も面接に出かけるのであった。
 

カーリー・スペンサー(ロージー・ハンティントン=ホワイトリー

 今回のヒロイン、現在のサムの恋人。一応G1のカーリー、ということになっているがキャラ的にはミカエラのほうがカーリーに近いか。というか僕はてっきりミカエラの愛称がカーリーなのかとばかり思っていたのだが。髪の毛が黒と金髪という以外はミカエラと似たタイプの外見でやっぱり「役者は変われど役柄変わらず」でいった方が良かったんじゃないかなあ。どうせ違うキャラにするならもっと別の外見にした方が良かったような。
 とはいえ、外見以外のキャラはミカエラとは大分違っていて、大企業の社長の秘書、というホワイトカラー。無職のサムを養いつつ見守る力を持ってます。後半、メガトロンを口先三寸で転がした。えー、アニメ通りならこの後二人にはダニエルという子供が生まれるはずである。

シーモア・シモンズ(ジョン・タトゥーロ

 我らがミスター・セクター7。前作のことなんかを書籍として著したら大ヒット!今では豪邸に執事を従えて豪勢に暮らしている。1作目での敵対もどこへやら、今ではサムの理解者の一人。途中から車椅子になってしまう。
 

ダッチ(アラン・テュディック)

 シモンズの執事兼ボディガード。社交性に問題を抱えているようだが、コンピューター関連や銃器の扱いなどでたくましいところを見せる。何でシモンズなんぞの世話になっているか不明。サムに対するバンブルビー、シモンズに対するダッチ。

ウィリアム・レノックス(ジョシュ・デアメル)

 1作目から登場してる軍人さん。NESTの現場指揮官としてオートボット達の信頼も厚い。棒読み役者として一部で有名な奥さんとか娘さんは何してるんだろうなあ。
 今回も生身でディセプティコンに立ち向かう役として正規軍を担当。3D映像撮影でも使われたジェットスーツ(モモンガみたいなの)で降下していくシーンは格好よかった。
 

ロバート・エップス(タイリース・ギブソン

 こちらも一作目から皆勤の軍人さん2号。ただし前作までと違ってNESTからNASAに移動して主にレッカーズとの間を取り持つ仕事に。後半は有志の(というか予備役の軍人か)を募ってサムを守りシカゴへディセプティコンにゲリラ攻撃を。一作目のデブ黒人を思わせるヘタレが部下にいた。
 

ディラン・グールド(パトリック・デンプシー)

 カーリーの雇い主でサムに仕事を世話した人。金持ちでイケメンで運動神経もいい。つまり嫌なやつだ!そして悪いやつだ!なんとなくパトリック・デンプシーはこんな役ばっかりの印象。
 実は親の代からのディセプティコン信奉者だった。G1のアニメでもドクター・アーカビルとかアブドゥール・ファカディ(モデルはカダフィ大佐)とかデストロンと手を組む地球人というのはいたけれど、どちらも決して手下になっていたのではないんだよね。まあ、あのアニメは巨大ロボットがプラントに攻めて来ても労働者が工具を投げて立ち向かうのがお国柄だからなあ。最後はサムと一騎打ち。
 

ブルース・ブラゾフ(ジョン・マルコビッチ)

 そのグールドの紹介でサムを雇った社長さん。変人。そしてバンブルビーとじゃれあって退場した。強烈な印象を残すがこれって一種のゲスト出演みたいなもんじゃないのかな。でないとバランスが悪すぎて。演じてるのがマルコビッチだしなあ。
 

ジェリー・ワン(ケン・チョン)

 えーほとんど「ハングオーバー」シリーズのケン・チョンと一緒です。コンドルは飛んでいく。合掌。
 

ロン&ジュリー・ウィトウィッキー(ケヴィン・ダン&ジュリー・ホワイト)

 こちらも皆勤のサムの両親。今回はキャンピングカーでサムの住むワシントンDCまでやってくる。髭を蓄えたロンはサムの無職を心配する一方、ジュリーは「ミカエラと付き合えただけでも凄いのに、続けてカーリーと付き合えるなんて奇跡に近い。彼女を逃したらもう次はないわよ」と真実ずばり。いや。でもとても良いご両親だと思います。一応ロンはスパークプラグに当たるんですかねえ。
 

シャーロット・メアリング(フランシス・マクドーマンド

 アメリカ合衆国国家情報長官。1のシモンズ、「リベンジ」のギャロウェイに当たるあんまりオートボットを理解しない人たち(というかむしろ邪魔だと思ってるような人たち)。彼女のお付は大変そうだ。過去にシモンズと何かあった?
 

モーシャワー将軍(グレン・モーシャワー)

 NESTの(人類側)司令官。「リベンジ」でも登場。ちなみに1作目で出てきたアフガニスタンカタール基地の指揮官、シャープ大佐はそっくりだが赤の他人。実は役者が一緒でリベンジ以降の役名も演じるグレン・モーシャワーから取っている。なので僕はてっきりこの人は現役の軍人かなんかだと思ったら本職の役者で「X-MEN FC」にも出てます。

 以上人類の側でした。非常に濃いです。ちなみに今回はIMAX3D字幕版で見ました。多分吹き替えでもう一回見る予定です。

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トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン

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*1:あの時点でバンブルビーはアリスがプリテンダーだとは分かってなかったはず

*2:この人「スーパー!」主演のレイン・ウィルソンだった!