The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

漢の魂は消耗品じゃない! RED/レッド

ん?どこかで聞いたことのあるようなタイトル・・・というわけでもう一つのオールスターアクション映画「RED/レッド」を鑑賞。

物語

 一人寂しく暮らすブルース・ウィリスの楽しみは年金係の女性と会話すること。その日も届いた小切手を破り捨て、届いていないと口実をつけて電話をする。ある時、彼の家が襲われこれを撃退する。彼は実は引退したCIAのエージェントだったのだ。彼と親しくしていた彼女も狙われると判断し、彼女を拉致したブルースはかつての仲間を集める。そして命を狙われるわけとその裏にある陰謀を暴くのだ!

 これ「イップ・マン 葉問」と同じ日に観たんだけど、後から観た「イップ・マン」の衝撃にすっかり忘れてた。でもこれはこれで面白い快作です。
 で、いろんな人がやっぱり「エクスペンダブルズ」と比較してますね。かく言う僕もタイトルは「エクスペンダブルズ」と対にしてます。

漢の魂を消耗せよ! エクスペンダブルズ - 小覇王の徒然はてな別館

 あっちがアクション俳優オールスターズならこちらは演技派俳優オールスターズ。オスカーに名を連ねたような人達が出演してます。
 で、勝手なんですがここに出てくるブルース・ウィリスは「エクスペンダブルズ」のウィリスと同一人物ですよ、きっと。そう考えると非常に楽しくなります。あっちもCIAだったし。
 出てくるのがこの中ではむしろ若い印象のあるウィリスを筆頭に、モーガン・フリーマンジョン・マルコビッチヘレン・ミレンがチームを作る。こんなメンバーなわりに作品自体の印象は非常に若い。これ一見するとそうは分からないが最初にDCコミックスのロゴが出てくるようにコミックス原作なんである。ただ、原作は短いシリーズで、映画化にあたりかなりエピソードを増やしているそうです。
 キャストはLSD漬けになっている被害妄想のメガロマニア、ジョン・マルコビッチ。MI6所属だったヘレン・ミレン。そして好色なモーガン・フリーマンと続く。ただ、モーガンはあんまり出番が多くなくゲスト出演に近い感じ。代わりといってはなんだが入れ替わりに現役時代のウィリスのライバルソ連スパイとしてブライアン・コックスが出てくる。ブライアン・コックスヘレン・ミレンは恋人でありながら敵同士という設定でまんま「メタルギア・ソリッド3」のザ・ボスとザ・ソローの関係。で、このブライアン・コックス演じるイヴァン(イワン)は一目見たときにイワン4世に似てる!と思った。通称イワン雷帝で知られるロシアの君主だがその肖像画とよく似てる。

イワン4世。ロシアを躍進させてはいるが暴君としても知られてる人で皇太子(自分の息子)殴り殺したりした。

この写真だとそうでもないが意図してか偶然か個人的には似てると思う。
 でも、このイヴァンは未だにヘレンを愛していてモーガンの代わりにチームに入る。
 で、肝心なのは最初のオープニング・クレジットで「アーネスト・ボーグナイン」と出てくるわけですよ。最初は目を疑ったね。あのアーネスト・ボーグナイン?あのシャック?最初は同姓同名の別人かと思ったよ。まあ、でも実際に出てるの見れば一目瞭然、こんなご面相の持ち主がそうそういるわけない。

 ぶっちゃけ、既に亡くなっていると思いました。ごめんなさい!御年94歳!ボーグナインはCIAの記録保管室の番人で若手のCIAエージェントが調子に乗ってると「お前さんなんかまだまだひよっこだな。かつてもっと凄い工作員がいてな・・・」と昔話に花を咲かせる係り。老いてますます盛ん。
 敵役はリチャード・ドレイファスで勿論彼自身も名優なんだけど、この映画の役柄を見ると彼よりも生きていればデニス・ホッパーの叔父貴がやってただろうな。そしてそれだったら凄かったのに、と心から思う。
 
 対する若手はローハンのエオメル兼2代目ドクター・マッコイのカール・アーバン。生真面目なエリート工作員という感じで、強いのだがベテラン陣の後手後手に廻り、やがて任務に疑問を持っていく。
 一応ヒロイン役はメアリー・ルイズ・パーカーという人でパンフ見ると結構な歳で劇中で言われてるほどブルース・ウィリスと歳離れてないじゃん、とか思うが目が大きくて疲れたアン・ハサウェイという感じで魅力的ではある。
 さらに、事件の核心にいる副大統領役はドクター・ドゥーム。ハンサムでカリスマ性はあるけど誠意は一切感じられないやり手だけどいかがわしいセールスマンみたいなルックスは国を任せるには危ないぜ!
 
 タイトルの「RED」というのは”Retired Extremely Dangerous”の略で「引退した超危険人物」とのこと。ブルース・ウィリスは現役時代全てをなげうって仕事に打ち込んできたので家族もいない。今は引退しているが世間一般のことには詳しくない。周りがクリスマス関連の飾り付けをしているのを見てとりあえず自分もやっとくか、という感じ。その方が廻りに怪しまれないし。一方現役世代のアーバンは妻も子供もいる。ウィリスにはそれがジェネレーション・ギャップとなる。彼の現役時代には考えられないことだ。
 ということで仕事よりも家庭が大事、というお話・・・違う?まあ、少し映画を離れてみると、引退なんて人それぞれでいいと思うのよ。日本みたいに一律60で定年なんてバカらしい。遊んで暮らせるだけ稼いだから40で引退する、とかでも全然いいし、まだまだ普通に働けるので引退はしない、とかでもいい。それをバカみたいに一律60で定年とか。新卒制度と同じくらい一律定年制度もバカらしいと思う。好きなように生きようぜ!

エクスペンダブルズ Premium-Edition [Blu-ray]

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 ちなみに「RED」というタイトルはたくさん存在するが僕はやっぱりこれを思い出してしまうのだ。
Red 1 (アッパーズKC)

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