The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

殿が外道で天使と海賊 天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックON銀幕

世間では「グリーン・ホーネット」だ、「デュー・デート」だ、「イップ・マン/葉問」だと騒いでおりますが、男は黙ってスーパー戦隊(何・・・この既視感。これがデ・ジャヴ?)
 
 というわけで待ちに待った「天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックON銀幕」。まあ、待ってたのはシンケンジャーの方なんですが。勿論、ゴセイジャーも嫌いじゃないけど。

物語

 幽魔獣を倒して一時の平和を楽しむゴセイジャー。今日も今日とて他のメンバーのパシリをさせられるアラタの前にそれまでのどれとも違う謎の敵が現れる。それは外道衆ナナシ連中だった。立ち向かうアラタの前にシンケンレッド志葉丈瑠が現れる。サムライたちを集める間、ゴセイジャーと協力する丈瑠。流ノ介と千明が合流する中現れたのは血祭ドウコクと同じ姿をした死んだはずのブレドラン、通称「血祭のブレドラン」だった。ブレドランはアヤカシ、マダコダマを使い天装術を翻弄、シンケンレッドを拉致してしまう。仲違いするゴセイジャーシンケンジャー。そして再びアラタたちの前に現れたのは外道に堕ちた「外道シンケンレッド」だった・・・

 いわずと知れた「スーパー戦隊VSシリーズ」。番組としてのフォーマットこそ一緒だが設定は全然違う二つの戦隊がどのように絡むかというところが見所だ。一応前作「VSゴーオンジャー」を引き継いでいるようであちらにゲスト出演してたゴセイジャーシンケンジャーを知ってはいる。ただし日本人ではない、ましてや地球人ですらない護星天使であるゴセイジャーたちがサムライを理解しているはずもなく、その勘違いっぷりが微笑ましい。というか我々はシンケンジャーと一年間共にしてるから感覚が麻痺しているがあの殿と家臣の関係は十分ふしぎな世界。結果、ハイドの提案で月代かつらみたいなのをつけて流ノ介に怒鳴られるのだった。それにしても、相変わらずの流ノ介の「殿LOVE」ぶりは見てて微笑ましい(同時に少しイラっともする)。
 後、黒子さんたちがあいも変わらず健気で、今回も勝手に天知天文研究所に畳み持ってきて上座を作ろうとして丈瑠にたしなめられるが、絶対1年前の丈瑠なら何事もなく座ってたね。
 基本はゴセイジャー側がそのノホホンとした態度で(アグリやハイド、モネに至っても)ボケ担当なのに対し、千明や茉子姐さん、それに流ノ介までもツッコミ。唯一ことはだけが天然のボケ。ハイドが天装術で流ノ介に化けてたのを解除してもそれが分からず「流さんどこいってしまったん?」とか、エリに天使だと告げられて輪や羽を探したりするのはいいとしても「うち死んでしまったん?」とか言うに至っては天然ボケがすぎるぜ、ことは。ていうかアイドリング!!!関連見るとよく分かるけどあれほとんどすぅちゃん(森田涼花)の素だよ。
 アグリは絶対千明と喧嘩するだろ、と思ったらやっぱり喧嘩した。
 
 敵はおなじみブレドラン。今回の話は幽魔獣が倒されてマトリンティスが現れる間の話と思われ、「彗星のブレドラン」「チュカパブラの武レドラン」同様、外道衆に参加、血祭ドウコクのシルエットを借りた「血祭のブレドラン」として登場する。最近TVの方で最終ボスで、元護星天使「救星主のブラジラ」だったことが判明したが幽魔獣時代は不遇の時。この後「サイボーグのブレドRUN」になる間の時代ですね。実際分身の術みたいなのを使って「彗星のブレドラン」と「チュパカブラの武レドラン」は登場するけどもう一人は登場せず。
 外道衆は新アヤカシ、マダコダマとTVシリーズから生き延びた骨のシタリが再登場。ただしブレドランの真意は三途の川の水を使って護星界を滅ぼすことにあったので離反した結果、誰に知られるともなく退場(後述)。

 拉致され敵に廻った外道シンケンレッドや天装術を吸収、倍加して跳ね返すマダコダマに対抗するため天装術とモヂカラを合体させ強化する。そう、シンケンジャーゴセイジャーは力の設定こそ違うけど互いに自然を属性とする点では被っているので力を合わせやすいのです。エリ茉子ハイド流ノ介アグリことはモネ千明(この二組が色が違う)、で一応ゴセイナイト源太、と組んで対処する。
 アラタは姫様(志葉薫)から助けを受けて無事丈瑠を外道からひきあげる。
 勿論最後は全員一致団結して悪の野望を打ち破るのである。
 
 感心したのはシンケンレッドの殺陣が通常と外道のときとできちんと使い分けていて戦いぶりにも外道らしさが反映していたこと。TVシリーズの時も終盤、十蔵と丈瑠の一騎打ちで通常の格好いい殺陣とは一味違う、どす黒い命の遣り取りをきちんと表現していて「やるな」と思ったものだが今回も見事。
 後、この作品が成功だな、と思ったのは観客の子供(勿論、周りは子供だらけだったのだ)のうち何人かが外道シンケンレッドの戦いぶりに恐怖して泣き声を挙げたこと。ホラー映画はともかく小さい子供も入場できる怪獣映画とかこの手の映画の怖いシーンで本気で怖がらせることが出来たならそれは大勝利だと思う。あ、あと劇場で作品を観て楽しい場面で笑ったり、恐怖の場面で泣き叫んだりするのは僕は基本的に全然OKです。まあ、大人の場合は限度があるけれど。
 

またまたダイゴヨウは見た!

 で、ブレドランに利用された(外道衆は護星界などどうでもいいのです)骨のシタリは強化したナナシ連中と一緒に別行動をとるがそこにゲスト出演の「海賊戦隊ゴーカイジャー」が登場。
「映画らしいからな、派手に行くぜ!」
とゲストパワーで骨のシタリたちを蹴散らすのであった。哀れ骨のシタリはシンケンジャーと絡むことなく最期を遂げるのだった。残念!
 ゴーカイジャーはそれまでの戦士のパワーを借りて戦うとかで(「海賊版だ!」とか言ってた気がした)とりあえず今回は直近の5作、ゴーオンレッド、ゲキレッド、ボウケンレッド、マジレッド、デカレッドに変身して戦ったりしていた。細かいのは女性メンバーが変身するレッド(ゲキ、マジ)はきちんとコスチュームが女性仕様(スカート付き)になっていること。
 で、前作同様またしてもそれを見ていたのはダイゴヨウのみ、というオチ。
 
 パンフを読んでびっくりしたのは丈瑠役の松坂桃李とアラタ役の千葉雄大が同学年だったということ。シンケンレッドは大人っぽすぎるしゴセイレッドは子供っぽい。案の定、二人の対談ではいいと言ってるのに千葉くんが敬語使ってます。
 
 前作「VSゴーオンジャー」の方がメリハリがすっきりしていて僕は好きだが、ファン向け作品としては今回も及第点だと思う。もちろん、一般の劇場作品(それこそ同じヒーローものである「グリーン・ホーネット」とか)と比べてはいけないのだろう。僕ももゴーカイジャーが出てきたりする展開をどうこう言う気はなくなった。
  
 さて、この手の作品をわざわざ劇場で観たのは何より「シンケンジャー」を愛してしまったからなので来年も同様に見るかどうかは分からない。あくまでTVの方が面白ければという前提。ゴーカイジャーがつまらなければ次は観に行かない(夏の映画は「仮面ライダーオーズ」の方が面白いので観に行く予定だが)。とはいえ、次は35周年記念とかなのでやっぱり観に行ってしまうかなあ。

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