2番目を集めてみた
ここしばらく感想系の記事が続いたので久しぶりに「集めてみた」。今回のテーマは「2代目」あるいは「2番手」です。
- 2代目はつらいよ
2代目と言うのは大概影が薄い。創業者の初代、繁栄の3代目に比べると堅実な足固めをする2代目は派手さにかける。日本の幕府政権3つはすべて2代目の影が薄い。
源頼家
鎌倉幕府2代将軍。源頼朝の長男、母親は北条政子。将軍就任直後は頑張ったようだが北条家から実権を取り戻そうとして出家を余儀なくされ、後に暗殺。武道の達人だったらしいが初代の頼朝、文化人として名高い弟の実朝に比べると知名度は低いし、評価もいまいち。まあ、その後の摂家将軍や皇族将軍に比べればマシか。
足利義詮
室町幕府2代将軍。読みは「ヨシアキラ」。小さい頃はこれが読めず、ずっと「ヨシセン、ヨシセン」と言っていたのは苦い思い出。父親は足利尊氏、子は足利義満。世間の不満を上手く察知して鎌倉幕府を倒し、後醍醐天皇の建武政権にも反旗を翻し幕府を創った尊氏。南北朝を統合し、明との貿易で繁栄させた義満に挟まれ印象の薄い義詮。ぜったいこの読みづらい名前も影響してると思う。
将軍位に就いてからよりもむしろ子供時代のエピソードの方が有名か。千寿王(幼名)は父の名代として新田義貞の鎌倉攻めに参加し、足利家の武家の棟梁としての立場を明確にした。
尊氏の息子としてはむしろ、直冬の方が印象深いかな。この辺は僕より徹夜城さんのサイトに詳しい(「太平記」関連のページが幾つかあります)。
ちなみに尊氏は建武政権から離反し、義満は皇位簒奪を狙ったらしい、ということで戦前は逆賊扱いだったが、21世紀の現在になってもそんなことを言っているバカがいる。
ちなみに現在の皇統は尊氏が建て、義満が統合した北朝系です。このシリーズほぼ全ての回が嘘と妄想で固められてる恐ろしい読みものであって、新聞の文化欄に載っているかと思うと空恐ろしい*1。この記事では一貫して「高氏」と書いているが多分「尊氏」の「尊」の字が後醍醐天皇の「尊治」から一字もらったものだが、それを否定したいのだろう(勿論史実では建武政権と敵対した後でも「尊氏」と名乗っているしそれを咎められた事もない)。
徳川秀忠
江戸幕府2代将軍。父親はあの家康公。子は家光。3人の2代目将軍の中では比較的知名度が高いと思うけど、関ヶ原の戦いでの遅参などでダメな武将というイメージが強い人でもある。実際軍事においては徳川家側の記録である「徳川実紀」においてさえ、ダメと記されてるぐらいだが、この人の本領は政治の方。政治家としては超一流と言って差し支えなくこの人が各種諸法度を定めたり、娘を入内させたりして江戸幕府の基礎を固めたのである。ちなみにこの人は側室を持つことが当たり前だった時代に正室しか持たなかった人(何度か浮気はしてるが)。今年の大河はその辺が描かれるでしょうね。
さて、日本史から適当に
藤原基衡
奥州藤原氏の2代目。戦乱を勝ち抜いて覇者となった初代清衡、義経を匿った3代秀衡に比べるとちょうど日本史の狭間に当たるため知名度は低い。とはいえ毛越寺を建立したり、中央に対して贈物攻めにして事実上の独立を勝ち取ったりこの人のやったことは大きい。
- 真ん中は辛いよ
浅井初
いわゆる浅井三姉妹の次女。秀吉の側室として秀頼を産み大阪の陣でなくなった姉の淀殿(茶々)、徳川幕府2代将軍徳川秀忠の御台所になった妹の崇源院(お江与の方*2)に比べると陰が薄い。嫁ぎ先も関白家や将軍家に比べると京極家という「一見すると豪華な名前だけど誰?公家みたいだけど武家なの?ねえ?」という感じ。一応由緒正しい武家だがむしろ初の力によって近世大名として生き残ったといっても過言ではないようだ。大阪の陣前後では姉と妹の間に入ってなんとか両家を和解させようと努力した。ある意味一番の苦労人である。三姉妹の中では一番長生きした。
*追加
ツクヨミ(月読)
そういや日本神話のこの人も真ん中で出番のない人ですね。一応日本神話の主神で皇祖神ということになっている姉・アマテラス(天照大神)と暴れん坊のち大蛇退治の英雄、弟・スサノオ(素戔嗚尊)に比べると三貴子なんていわれてるけどほとんど逸話がない。一番知られてるのが口から食べ物出して接待されたのを無礼討ちしたら姉に怒られた、と言うものだから悲しい(古事記ではこの逸話すらない)。まあ、月の神様ゆえに必然的に夜しか出番がないのかも。早すぎた草食系神さま。
- 世界史からも
建文帝
明朝第二代皇帝。祖父洪武帝の後を継いで即位したが、叔父である朱棣(後の永楽帝)と戦い敗れた。永楽帝が戦争の天才であったこともあるが、洪武帝の粛清のせいで人材がいなかったことも大きい。この戦い(靖難の変)で死んだとされるが生存説も根強い。この辺は日本の壬申の乱辺りに良く似ている。幸田露伴の「運命」が彼を題材としており有名。
雍正帝
清朝第五代皇帝。なので2代目ではないのだが、父・聖祖康熙帝、子・高宗乾隆帝というそれぞれ60年以上の治世に挟まれる形で在位しているため二人に比べると知名度は低いのでないか。この人の印象は「究極の専制君主」といったものである意味、啓蒙専制君主のような存在。とにかく一生懸命政務をこなした人だ。その短い治世は過労死によるものとも言われている。「太子密建」の制度や「大義覚迷録」などの書物も著している。
*追加
文帝(前漢)
前漢の第五代皇帝。父親は漢の高祖・劉邦。高祖の死後、外戚の呂氏が政治の実権を握った*3がその排除に成功した後、即位した。温厚な性格で戦国時代から続く戦乱の世を実質的に終わらせたのはこの人。彼と息子の景帝の治世を合わせて「文景の治」として知られる。色々とその人柄をしのばせる逸話には事欠かない。後の武帝時の隆盛はこの時代の礎があってこそ。
中国の名君と言うと、後漢の光武帝(劉秀)、唐の太宗(李世民)、清の聖祖(康熙帝)辺りが創業と守勢を成し遂げた皇帝として知られているが個人的には文帝も彼らに並ぶと思う。日本でももっと知られて欲しい人物。
- ああ偉大なる「ジャンプ」の2番目達
「週刊少年ジャンプ」のバトルマンガは誰もが一度は通る道ですがそんな中にも目立たない2番手たちは存在します。そんな2番手たちを紹介。
テリーマン
「キン肉マン」より偉大なる2番手野郎。ジャイアント・キラー、タッグ屋。ほとんど初期からキン肉マンとともにしながら常に二番手だった。おそらくその普通の人間然としたルックスが災いしたのだろう。ジェロニモやブロッケンJrみたいに元人間でもないしね。必殺技もテキサス・クローバー・ホールド、カーフ・ブランディングなど普通のプロレス技だったし。異形ぞろいの「キン肉マン」では分が悪かったかも。
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二号生
「魁!!男塾」より。筆頭は明石剛次。主人公達である一号生や人間離れした大豪院邪鬼率いる三号生に比べるとどうしてもその他大勢感が否めない。明石の下になるととたんに江戸川だしね。伊達辺りが中退せずに男塾に留まっていれば桃たち入学時あたりに二号生になっていたのだろうか。
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白銀聖闘士
「聖闘士星矢」より。下っ端青銅聖闘士と黄金聖闘士の間に位置する中間管理職。設定では強いはずなのに星矢達の主人公パワーの前に戦績はボロボロだった。24名いるらしいが結構な数、劇中で倒されてたよなあ。
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中虎
「銀牙〜流れ星銀〜」より。甲斐の魔犬3兄弟の次男、片耳。赤カブトと戦い壮絶な死を遂げた兄・赤虎、後に八犬士になった弟・黒虎に比べると陰が薄い。まあ、名前もいまいち、なんか寿司ネタみたいな名前だしね・・・
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後は映画の続編とかもあったりするわけですがそれはこちらを見ていただきましょう。
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