キャラクターはシルエットだけで読者に見分けがつくように描き分けよう アトム
タイトルでも分かるとおり、最近人より2周も3周も遅れて「銀魂」にはまっております。が、今回はそれではなく「アトム」の話題。ハリウッド3DCG製のあれです。何か日本ではひっそり公開されてましたね。前回の「トロン」と一緒にCGつながりでレンタルしてきました。
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で、「アトム」で僕の好きなのは「青騎士」。以前「続編映画ベストテン」で「猿の惑星・征服」を挙げたように僕は革命映画「虐げられたものたちが反乱を起こす」映画が大好きなんですね。「青騎士」はまさにそれのロボット版。後は「デッドクロス殿下」とか。
で、ハリウッド版のアトムでござる。これが意外なことにそんなに違和感がない。日本のほど丸っこくないが(「アトム大使」の頃のアトムに近いか)アトムや他のキャラクターは十分手塚キャラといえるだろう。最初の頃はもっと面長でどちらかというとコバルトに近い造形だったらしいが。登場する手塚キャラは
- アトム
- 天馬博士
- お茶の水博士
- ハム・エッグ
辺りが主要キャラクター。そのほかちょい役で
- ヒゲオヤジ
- 手塚治虫自身(ベレー帽にメガネ、丸鼻)とかが出てる。
僕は今回字幕版で見たのだが(理由は後述)アトムはAstro Boy*1,お茶の水博士はDr.elefunになっている。アトム=アストロボーイは有名だがお茶の水博士の「エレファン」は【エレ=電気、ファンはそのまま】と【エレファント=象みたいな大きい鼻】をかけているのだろう。字幕上は日本の名詞のまま。
ストーリーや世界設定はオリジナルなのだがロボットがロボット法によって縛られているところなどは原作を踏襲している。途中ロボット同士が戦うコロシアムみたいなものが出てきたりして*2「A・I」の影響も見受けられる(ただし「A・I」もアトムの影響を受けていると思われる)。
天馬博士(劇中ではビル・テンマ博士)が原作ほどエキセントリックな天才ではなくなっているのはしょうがないのだが、手塚作品を代表する悪役ハム・エッグが最初いい人でシルエットも原作の細めのスタイルに比べてかなり太めなので敢えて変えたのかなと思ったらやっぱり情けない小悪党だったのはいい感じで裏切られた。後は厄介な大統領辺りがオリジナルキャラではなくてレッド公とかだとよりよかったな。
ちなみに手塚作品の個人的な悪役四天王は
- ロック・ホーム(間久部緑郎)
- アセチレン・ランプ
- ハム・エッグ
- スカンク草井
の4人。この中ではハム・エッグが一番その場の利益で動く小悪党って感じ。悪党の美学を持つランプや徹底的に邪悪なスカンク、元祖美少年悪役ロック(そもそもロックは主役出身だしな)に比べると一歩劣るがその分使いやすいキャラだよね。多分この映画版は対象年齢低いだろうし他の3人は灰汁が強すぎる。
アトム以外のロボットはあんまり手塚治虫っぽくない。味方ロボ「ZOG」は「トランスフォーマー・アニメイテッド」のアイアンハイドにシルエットが似ている。いろんな意味でアトムと対なるラスボス、ピースメーカーも特に原作の何かがモデルになっているようではない。そのほかのロボもいかにもアメリカ製CGアニメのロボットって感じ。ロビタとか出せばいいのに・・・
吹き替え
今回の吹き替えはアトム役に上戸彩なのだが声の質はともかく話し方が全然男の子には聞こえない。語尾とかが完全に女の子のそれなのだ。声質自体は少年役に合うと思うんだけど惜しかった。ので早々に字幕版に変えた。ちなみに役所広司が天馬博士役。例のごとくもっさり。原語だとニコラス・ケイジ。
そういや、以前にワイドショーでこの時の上戸と役所の二人を大西ライオンが取材するというのを見たけど、あれは
手塚治虫の「ジャングル大帝」のパクリ(まあ、色々言いたいところはあるでしょうけど)であるところの「ライオンキング」のさらにパクリである芸人がやはり手塚治虫の代表作のハリウッドリメイク(?)の出演者にインタビューする
というちょっと意味深な構図であった。
ところでアトムといえば「地上最大のロボット」を翻案した浦沢直樹の「PLUTO」がハリウッドで映画化されるそうですね。
『PLUTO』の実写映画化に向けてリリースが発表されました。:アニメ/映像:ニュース:TezukaOsamu.net(JP) 手塚治虫 公式サイト
原作の「地上最大のロボット」を映画化というと「そりゃ、無理だろ」と思うけど「PLUTO」の映画化だと「なんとなく出来そう」って思うのは僕だけですかね。不思議ですね。
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