さあ、早く実写映画化を! 「ダブル」
自分で思った以上に先日の原付がらみの出来事*1は軽いトラウマになったようで、この連休は大雨が降ったこともあって原付を運転する気にならず家でじっとしてたわけです。まあ、御存知かもしれませんが僕は現在求職中で、ある意味ずっと連休みたいなものなんですが一応ハロワ中心で職探しをするとカレンダー通りになってしまうのです。
で、部屋からほとんど出なかったのでその間に以前に購入していた深町秋生先生(はてなではid:FUKAMACHIとしておなじみです〉の「ダブル」を読み終わる。ちなみに以前、
さて、僕はこのまま小説づいたところでこのまま深町秋生先生の「ダブル」に突入するのだ!
と10日以上前に書いていたけど、読み終わるのに10日かけたわけではなく読み始めるのに時間がかかってしまったのだ。説明すると僕は最初の2,3ページを読んで没入するのに時間がかかるタイプなのである。別にこれは誰の作品とか関係なく、2,3ページから5,6ページに至るまでが大変なのである。もちろん一度没入すると後は一気に読んだのだ!
- 作者: 深町秋生
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/09
- メディア: 単行本
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物語
クール・ジュピター(CJ)という新型ドラッグがはびこる近未来。CJを流通させている犯罪組織に属する刈田は掟を破ってCJに手を出した弟を守るために組織に追われ弟と恋人を殺され、自身も重傷を負う。警察に捕まった刈田は女性捜査官園部桂子の提案により整形手術で姿を変え復讐のため再び組織に潜り込む。狙うは組織のボス、神宮。だが時を同じくして神宮も姿を消していた・・・
というわけで香港ノワールの香りのする日本版「フェイス/オフ」といった感じの作品。いろんなところで「フェイス・オフ」や「インファナル・アフェア」との共通点は語られてますね。
僕は深町先生の作品を読むのはこれが最初なので他の作品と比べることは出来ないけど非常に無駄のない小説だと感じた。例えば小野不由美の「屍鬼」(ジャンルも長さも違うので比べるのはフェアではないが直近に読んだ作品のため)だと途中で登場人物の書いた劇中小説が出てきたり、舞台の説明などに長く行をとる。それに比べると必要最低限のことをびしっと短く説明するにとどめている。作品の内容同様形態もハードボイルドだ。
映画向き素材
以前日本人とアメリカ人の発想の違いとして、
日本人は2次元で想像するがアメリカ人は3次元で想像する
というのを聞いたことがある。つまり現実にはありえないような話を聞いた時に日本人はアニメ化することを考えるがアメリカ人は(アニメは子供のものという意識も手伝って)まず実写化することを考える、というのだ。だから日本人はアメリカ映画を見て
「よくこんなの実写化するなあ」
と感心し、アメリカ人は、日本のアニメを見て
「よくアニメで表現するなあ、実写のほうが早いのに」
と思うらしい。僕なんかもアメリカ映画の見すぎか小説を読んだりするとまず実写で想像する癖がついている。
で、話を「ダブル」に戻すと、これは早く実写映画化すべきだ。というかある程度映画化を想定して(2時間ぐらいの枠に収まるように)考えられた物語なのではないだろうか、と思ってしまう。仮に脚色するとして削るところがあまりないように感じる。
単純ながら力強い物語設定。通常の世界では考えられないぐらい偉丈夫な男達。ラージャー・ザン・ライフなある程度類型化された人物設定。圧倒的なカリスマを放つ悪役。憎しみあうも惹かれあう登場人物達。これを映像化しないでどうする日本映画界!
とはいえ基本悪人ばかりが登場する話なので今の邦画界には難しそうではあるなあ。
ちなみに関係ないが裏社会組織が、幹部の役職を部長とか課長とか呼ぶのは少し新鮮。いわゆる暴力団とは違う(日本においては)新しい犯罪組織、という感じがよく出ている(僕の暴力団知識はほとんど「代紋TAKE2」から得ている)。
代紋TAKE2 最終戦争完結編 (講談社プラチナコミックス)
- 作者: 渡辺潤,木内一雅
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*1:右折禁止違反による罰金と、トラックの運ちゃんに怒鳴られたこと