The Spirit in the Bottle

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逆襲の武装フクロウ! ガフールの伝説

 僕が日本の漫画で是非ハリウッド大作として映画化してもらいたい、というのは幾つかあってその一つが高橋よしひろの「銀牙 −流れ星銀ー*1なのだが、これは「ベイブ」を観た時にドクター・ジョージ・ミラー

「ベイブ」の技術と「マッド・マックス」の演出で是非、「銀牙」を!

と思っていた。奥羽山脈で繰り広げられる凶熊と犬たちの戦い!赤カブトの一振りで十数匹の犬が吹っ飛ぶ!繰り広げられる犬スペクタクル!
絶・天狼抜刀牙!
 で、最近は「300〈スリーハンドレッド」を見たときにグリーンバックで繰り広げられる大殺戮劇が「銀牙」に向いているんじゃ、と思った。
 で、本題、3DCGアニメの「ガフールの伝説」を観た。

 最初に予告編を見たときの感想は

フクロウ版「甲冑の戦士 雅武*2

だったのだがジュブナイルぽいし最近のアメリカ製3DCGアニメのクオリティレベルの平均値の高さは驚くべきことなのだが正直ぬるい作品だろうと思って見る予定は無かった。ところが最近実はこの作品の監督が「300」ウォッチメン」のザック・スナイダーだったと知って「ザックがぬるい映画作るはずない、こりゃ観なきゃ」と思い直した。ザック・スナイダーには全体としての実力はともかくバイオレンス描写だけにはマイケル・ベイ同様絶対の信頼を置いているのだ!(上から目線)しかし予告編で全然ザックのこと触れてなかったじゃん!ザックの名ではファミリー受けしないのか?・・・うん、しないね。その意味では正しい宣伝なのかもしれないけどおかげで危うく観逃すところだったじゃないか。
 

物語

 フクロウが支配する世界。
 飛ぶ練習を始めたばかりのメンフクロウの兄弟は選民思想かぶれた世界征服を狙うフクロウ界のネオジオン軍こと純血団に拉致される。弟のソーレンは隙を見て脱出するがハマーン・カーンに魅了された兄のクラッドはそのままネオジオン軍に残る。
 脱出したソーレンは脱出仲間のジルフィー(サボテンフクロウ)、途中で仲間になったディガー(アナホリフクロウ)、トワイライト(カラフトフクロウ)と共に伝説のガフールの勇者達の元を目指す!

 さすがに血飛沫飛ぶバイオレンスシーンというのはないが、それでも冒頭からかわいらしいリスがフクロウの餌食になる場面を見せたりフクロウが足に鉄製の爪をつけていてそれで火花散る空中チャンバラをやったり(しかも時にはスローモーションで)とアクションは魅せてくれるし、メタルビーク(ジャギ様)の邪悪さはクセルクセスも吃驚だ。しかも爪だけでなく刀で戦ってる奴もいる。おまけに最後は串刺しだぜ!
 基本的なキャラクター構成はディズニーとかをなぞっているけどそこはザック印がきっちり刻まれている。
 実写に近い写実的なCG映画だけどフクロウの毛並みとか凄いなあ。一昔前まで動物の体毛とかって表現が大変といわれてたけどモフモフ感が半端ない。それに通常なら固体の区別なんかつかないけどしっかり見分けがつく(多少時間はかかるかもしれないが)。僕はロリコンではないけどエグランタイン(主人公の妹の雛鳥)には萌えちまったぜ!
 これどうやら長く続く原作のシリーズがあるそうで僕は読んでいないけど、ということはハマーン様のその後やよりダークサイドに堕ちた兄貴なんかもまた出てくるのだろう。続編も作られるなら観てみたい。

ガフールの勇者たち〈1〉悪の要塞からの脱出

ガフールの勇者たち〈1〉悪の要塞からの脱出

 

吹き替え

 さすがにIMAXで3Dというのも、もう慣れてきたものでどういう方法が一番いいかも分かってきている。日本語吹き替えが一番!字幕が浮かないしね。で、あとから気付いたんだけど今回もいわゆる「タレント吹き替え」であったのだ。
 主人公ソーレンに市原”ROOKIES"隼人、ジルフィーに川島”コップン・カー”海荷。とはいえ後からクレジットで気付いたぐらいで観てる時は違和感なし。大体こういうのでたち悪いのはベテラン俳優とお笑い芸人を起用する場合であって実はアイドルとか若手俳優とかは問題なかったりする。「呪怨 パンデミック」の最低加減に比べれば全然平気。市原隼人川島海荷も頑張ったよ。
 とはいえその二人以外のキャストが凄い。石塚運昇茶風林永井一郎斎藤志郎大川透といったベテランぞろい、中でもメタルビークの妻で純血団の実質的な指導者でもあるナイラ役が榊原良子さんなのだ。何で物語紹介でハマーン・カーンとしたか分かりましたね。実際翼を広げた姿はキュベレイのようだし、あの凛とした声で命令されればそりゃ弟の一人や二人裏切りますって
 さて僕が観たのは日本語吹き替え版だが、クレジットで確認したところ原語版も凄い。ヘレン・ミレンエリザベス2世)、サム・ニール(ダミアン)、リチャード・ロクスバーグ(ドラキュラ)、デビッド・ウェナム(ファラミア)などなど。中でも裂け谷のエルロンドことヒューゴ・ウィービングは実写版「トランスフォーマー」でメガトロン様も演じてて最近は声優としても御活躍ですね。
 「ヒックとドラゴン」の時も思ったけどこの手のCGアニメをファミリー向けと思ってスルーするのはもったいない。アメリカ製の3DCGアニメはみんな出来がいいしボンクラ映画青年でも十分楽しめる物が多いよ!
 僕も全部も観るとは限らないけど「塔の上のラプンツェル」「怪盗グルーの月泥棒」あたりが楽しみである*3

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 ザック!「銀牙」の映画化は君に任せた!

銀牙―流れ星銀 (1) (集英社文庫―コミック版)

銀牙―流れ星銀 (1) (集英社文庫―コミック版)

*1:海外でも人気は高いしね

*2:これも高橋よしひろの犬漫画

*3:それこそ吹き替えで不安が残るけど