メガ津波よ〜 TSUNAMI ツナミ
話題の韓国映画「TSUNAMI ツナミ」を鑑賞。
ちなみにこの作品、前々から見たかった、というよりは今日は映画の日なのでなんか観ておくか、という消極的理由から選択。キャスト・スタッフともに知ってる人は一人もいないという状態。多分、トンデモパニック映画なんだろうなあ、という程度の認識で鑑賞に望んだ。
で、大いに笑った。話は嵐で漂流する漁船に始まり、漁師の家族、地震学者とその別れた妻、海難救助隊の恋、と以前に見た「2012」と雰囲気がそっくりである。大体主要人物が、漁師、博士、海難救助隊員、というだけでこれは昔の東宝特撮映画だ。これで新聞記者とかがいれば完璧だった。自然現象というより怪獣でも登場しそうな雰囲気である(極端な話、そっちの方が面白そう)。
パニック映画には付き物の群像劇*1。元漁師のマンシク(大泉洋似)とヨニ(松たか子似)、キム博士(田中健似)とユジン(鈴木砂羽似)、マンシクの弟の救助隊員ヒョンシクとソウルから来た浪人生ヒミ(ドタバタ要員)の主に3つのグループに分かれて展開される。このドラマ部分が意外に長くてしかも陳腐なのだがつまらないわけではない。陳腐ではあるけれど類型化されたキャラクターによって非常に楽しめる部分になっている。普段から感情豊かなイメージのある韓国人だからこういう大仰なドラマを見せられても不自然には見えないのだと思う。熱血日本人が今や不自然に見えるのとは対照的だ。
自然現象と申し合わせたように開催されるイベント、科学者の言うことを無視して官僚的に対応する上司*2とほんとパニック映画のパターンを踏襲といってよい。でもパターンこそ重要である。
ヒトがたくさん死ぬドラマを笑って見るというのは不謹慎かもしれないけど笑う部分はたくさんある。クルーザーでSOSを発信してる最中に後方で暴れるヒミとか、タンカーから堕ちてくるコンテナになぜか当たらないニート君とか。で、一番笑ってしまったのは主要人物がなかなか死なないことだ。愛の告白をしてこりゃ死ぬな、といった直後に助かる、といったことが何度か起きるので、いざ本当に死ぬ、という時も「どうせ助かるんだろ」と思ってしまう。
対馬沖で起きた地震による津波という設定。科学的には多分、間違いはたくさんあるんだろうけど(日本も凄い被害を受けたはず。とりあえず対馬は完全に終わっているだろう)まあ、この手のドラマに科学考証云々いってもつまらないので前半の古きよきドラマと後半の津波スペクタクルを楽しめればよいのでないか。
ところで最初に「監修大森一樹 川北紘一」と平成ゴジラシリーズのコンビによるクレジットがあったがいったい何をしたのだろう(吹き替えの監修は別の人)。まさか東宝特撮っぽさを出すための監修か?