The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

今後の龍馬伝に期待!

注意! 今回は幕末を扱った記事になりますが、ブログ主は旧会津藩出身であり心情的に幕府側であることを最初にお断りしておきます。
 
 録画しておいた「龍馬伝」28話を鑑賞終了。
 第2部が終わった。今回の大河は面白く、通常、最初の何話かだけ見てやめることが多かったのだが(前回の「天地人」酷かったね!)今回は全部見ている。
 特定の原作がなく脚本家のオリジナルということだが、以前にやはりNHKで放送されていたアニメ「お〜い!竜馬」からかなり影響を受けていると思う。まあ、それは原作者の武田鉄矢勝海舟を演じてることから半ば了解を得ているのだろう。

 新解釈な部分も多く、福山雅治香川照之らの熱演(下手すると非常に暑苦しいだけなのだが土佐弁はじめの方言が多用されてるせいか、すんなり入ってくる)もあって見ていて飽きないのだが、いくつか物足りない部分、気になる部分もある。
 例えば、勝以外の幕閣が必要以上に悪役風になっていること。特に外国の使節と対談するシーンはかなりあくどく誇張されている。
 新撰組が陰惨な感じになってるがそれはまあいい。原田泰造近藤勇香取慎吾よりいいと思うしね。ただ、個人的には池田屋事件禁門の変で長州やその他の攘夷派が美化されているのは見ていてあまり楽しくはない。 
 
 また、坂本龍馬といえばこのシーン!というのがいくつかあるがスルーされている。
 例えば龍馬が勝海舟に弟子入りするシーン。ドラマでは京都で平井加尾から評判を聞き、松平春嶽から紹介される形で勝に弟子入りしている。最初から弟子入りする目的であっている。一般にここで有名なのは千葉重太郎と共に開国派である勝を斬りに行き、逆に地球儀などで説得され弟子入りする、という逸話だ。これが史実かどうかはこの際どうでもよくて、当時の武士の考え方や龍馬の自由奔放さを表現するにはこのエピソードを採用した方がよかったと思う。
 また、これは龍馬ではなく勝海舟岡田以蔵だが、以蔵が一時期龍馬に頼まれて勝の護衛をやっていた時、勝は暗殺者3人に襲われるが以蔵が1人を切り捨てその他を一喝して追い払い、その際、勝に
「人殺しは止めた方が良い」
と言われたが
「でも俺が斬ってなきゃ、今頃先生の首は飛んでましたよ」
と返したというエピソードなんかは以蔵を語る上ではずせないエピソードだと思うがこれも無かった。実際の以蔵が犯した殺しは斬るだけでなく絞殺なども多く、陰惨な印象が強い。その以蔵が剣も立つ名人だったことをうかがわせる「いい話」なのだが無かった、残念。
 そして一番気になるのは土佐勤皇党の弾圧シーン。龍馬が吉田東洋暗殺犯を騙り、それを聞いた武市半平太が龍馬に罪を被せるわけにはいかんと犯行を告白する。拷問される以蔵を哀れに思った武市は岩崎弥太郎を通して毒饅頭を食わせて楽にしてやろうとするが弥太郎が阻止。結局武市は切腹。以蔵は死刑(ドラマ上ではよく分からないが史実だと打ち首)。
 史実では武市は以蔵が自白してしまうのではないかと案じ(武市達土佐勤皇党幹部は学がなく暗殺しかとりえのない以蔵を見下していた)毒を送りそれを知った以蔵は武市に裏切られたことに憤り自白をした。僕が武市を嫌いなのはここで以蔵を見捨てたからだ。個人的に武市はいい人で終わらせて欲しくなかった。
 ドラマでは龍馬の周りの人物は皆が皆、いい人に描かれている(山内容堂後藤象二郎に至ってもそれなりに)。最近の時代劇の悪い癖は昔の人物を現代の価値観で描こうとしてしまうことで、このドラマもその呪縛に囚われているようだ。もちろん現代人に共感させる手段としては有り、なのだがほどほどに。
 
 それで!今後「龍馬伝」に、これだけは外さないでくれ、というシーンがある。それはいわゆる「寺田屋遭難」という奴で龍馬が寺田屋宿泊してた際、幕府側から捕縛されそうになったが風呂に入ってたお龍が事態を察知し裸のまま龍馬に危機を知らせ、一命を取り留めた、というエピソードだ。もちろんここで重要なのは「お龍が裸」ということで是非ともドラマでは真木よう子に頑張ってもらいたい。もちろん全裸といっても画面のこちら側では見ることはできないだろうがせめて劇中ではきちんと全裸なんだということで。できれば尻のや胸の谷間を見せてくれればもう言うことはないです(結局下ネタ)。

 それでは第3部に期待。
龍馬伝 III

龍馬伝 III