The Spirit in the Bottle

旧「小覇王の徒然はてな別館」です。movie,comics & more…!!!

怒りのデス農道 ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム

 前回の記事で「仮面ライダードライブ」において、ブレンはしれっと生き延びて次の「MOVIE大戦」あたりでも出てくるのではないか?などと自信たっぷりに書いたのですが、記事をアップした次の日の回でブレンさん、お亡くなりになってしまいましたね……その次の回でも復活することはなく、どうやら完全に予測は外れてしまいました。まあ僕の予想が外れることはどうでもいいんですが。それでもブレンさんの死が泊進ノ介たちライダーとハートたちロイミュード共闘させるきっかけとなりました。ん?これはあれじゃないか?「アベンジャーズ」におけるフィル・コールソン捜査官と同じ役割ではないか!するとブレンが蘇生させられて活躍する「エージェント・オブ・ロイミュード」とかのスピンオフを是非作るべきでしょう!
 と仮面ライダーの話はこのへんで、また例によって鑑賞後、大分放っておいた作品の感想です。本来なら7月の終わりか8月の頭ぐらいには書いておきたかっった感想ですが、安定のサボりぐせでここまで伸びました。「ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」を観賞。もうほぼほぼ公開は終わっていると思うので、簡単に済ませたいと思います。

 牧場で楽しく暮らすひつじのショーンたち。ある時もっと自由になろうとショーンは策をめぐらし、牧場主をトレーラーに誘導し夜だと思わせ眠らせる。主人のいないつかの間の自由を満喫するひつじたちだったが、トレーラーが動き出し、中に熟睡した牧場主を載せたまま暴走、ひつじたちには未知の世界である大都会へ向かってしまう。牧場主を追っかけて牧羊犬ピッツァーも後を追う。ショーンも人間に化けバスに乗って後を追うが、大都会では野良の動物を狩る恐ろしい男トランパーが待ち構えていた。そしてショーンを追って他のひつじたちも都会へ。果たしてショーンたちは無事牧場主を見つけ出し牧場へ連れ帰ることができるのか?

 作品はアードマン・スタジオによるもので「ウォレスとグルミット」シリーズが有名か。僕は劇場では「チキンラン」を観たことがある。この「ひつじのショーン」はTVシリーズとして有名で日本では現在Eテレで土曜日の朝に放送中。僕はこの映画版を観るまでTVシリーズの方は見たことがなくて、鑑賞後に見たが、そのクレイアニメとしての質は劇場版もTVもそんなに変わらない。もちろん映画の方は長編で舞台も牧場だけでなく大都会になっていたりしてパワーアップしている。昨今、劇場公開作でも多くが日本語吹替版も公開され、特にこういう子供向け、ファミリー向けと思われる作品は吹替版の方が多く公開される傾向があって、一部の批判を浴びたりするのだが*1、本作は迷う必要はないです。何しろ日本語も英語も関係ないのである。羊はもちろん人間のキャラもほとんど喋らず喋っても擬音ばかりで明瞭なセリフは殆ど無い。サイレントというのともちょっと違うのだが、特定の言語を喋らないので字幕だ吹替だ時にする必要は全くない(もちろん、劇中で新聞記事やポスターなど英語の文字は多少出てきて、それにはその都度日本語の字幕が付いていたりするのだが)。ある意味で地球仕様である。

 最初に牧場主の若いころが出てきたりするのだが、この牧場主の若いころがなんとなく「マッドマックス」のグース(スティーブ・ビズレー)を思わせる容姿で(リーゼントに革ジャン)また作品内容もDr.ジョージ・ミラーが監督を務めた「ベイブ/都会へ行く」などを思わせた事もあって雰囲気としては全然違うがやはり「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を連想したりしたのだった。行って帰ってくる物語だしね。ちなみに「グース」とはアヒルのことですね。ところでこの間は午後ロードで「ベイブ」が放送されて、久々に見返したりしていたんだけど、「ベイブ」が公開された当時、Dr.ジョージ・ミラーがバイオレンス路線からファミリー路線に転向した、みたいなことが言われていたように記憶するのだが、今見返すと「ベイブ」2作も「ハッピーフィート」2作もきちんと「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の血肉となっていることが分かる。「マッドマックス サンダードーム」以来30余年は無駄ではなかったのだ。閑話休題

 牧場主は本当いい人でこの牧場主を救い出すために牧羊犬のピッツァーやショーンたちひつじが奮闘するのだが、都会では記憶喪失になり、羊の毛を刈る技術を活かしてカリスマ美容師になってしまう。物語の発端はひつじたちが日がな牧草を食って定期的に毛を刈られるという日常に飽きて牧場主を欺いて休日を楽しもう、というものなのだが、だからといって牧場主が嫌われているわけではなくむしろ非常に慕われているのはよく分かって微笑ましい。
 敵役となる野良動物捕獲人トランパーも野良犬や都会にやってきたひつじたちには厳しいが、任務に忠実ではあってもそれを離れたところではむしろ善人ぽいところがこの映画のいいところ。

↑「ミニオンズ」でも出てきたビートルズアビーロード」のパロディ。
 映画はいろんなパロディも多く、僕が分かったのは先のアビーロードや美容師になった牧場主のポスターがウルヴァリンを思わせるとか。「ショーシャンクの空に」や「猿の惑星:創世記」なんかのパロディ=オマージュと思われるシーンもあったかな。先に書いたようにもしかしたら作品自体の構図が「ベイブ」などを参照しているのかも。
 ひつじたちは主人公のショーンは少年、他は大人でティミーが幼児と言った感じか。全体的に太平楽でその精神構造はミニオンに近い感じ。ショーンをケビン、ティミーがボブ、その他のひつじがスチュアート他のミニオンと見ることも出来て「ミニオンズ」が楽しめた人にはこの「ひつじのショーン」も十分楽しめることでしょう。ああ、ボブとティミーが一緒に遊ぶところを見たい!その他ひつじたちの監視役的なピッツァー(実は一番ショーンと信頼で結ばれている)や都会で出会う野良犬のスリップなんかも良いキャラクターである。

 サイレント映画とはまたちょっと違うのだけれど、言語を超越したアクション、まさにアニメとしての動きの面白さを追求した作品とも言えて全人類向け作品と言える*2。もう公開はほぼ終わっていると思うので、興味があればまずはTVシーズをチェック。その上でソフトが発売されたらぜひ観てほしい。「ミニオンズ」と「マッドマックスFR」にハマった人ならまず間違いなく楽しめるはずである。

ベイブ [Blu-ray]

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*1:この辺の僕の考えは何度か書いていて、最近では「インサイド・ヘッド」の感想記事でちょっと長めに書きました

*2:別に必ずしもアニメは動きを重視しなければ、と言うつもりはなくて複雑な設定や物語なら説明ばかりのアニメになってもそれはそれでありだと思う。要は面白いかどうか